昨シーズンに3人が同時にコートに立った時間は69分のみ

スパーズはサンズとのプレシーズンマッチで123-103の快勝を収めた。

この試合で最大の注目を集めたのが、ミッチ・ジョンソンヘッドコーチが送り出したスターティングラインナップだ。ディアロン・フォックス、ステフォン・キャッスル、ディラン・ハーパーの3ガードを同時に起用し、デビン・バッセルとビクター・ウェンバニャマを加えた超攻撃的布陣でスタートした。

試合序盤、プレシーズン初出場となったフォックスを含め、ハーパーとキャッスルが最初のシュート5本を外すなど、連携面でぎこちなさを見せる場面もあった。しかし、徐々に噛み合い始めるとその爆発力を発揮。前半終了時にはこの3人合計で31得点、12リバウンド、6アシストを記録し、60-49とリードを奪って試合の主導権を握った。

キャッスルはフリースローを14本沈めるなど、ゲームハイの18得点を挙げてオフェンスを牽引。フォックスは前半終了間際に劇的な3ポイントシュートを決めたほか、豪快なポスターダンクを叩き込んだ。また、9得点を記録したハーパーも、第2クォーター終盤にこぼれ球を押し込む迫力満点のタップダンクを披露し、ホームのアリーナを沸かせた。

チームの絶対的エースであるウェンバニャマも、この3ガードラインナップに大きな手応えを感じている。「最初は探り探りでしたが、一度噛み合うと一気に流れに乗れました。自分の周りにこれだけ優秀なハンドラーが揃っているのは本当に心強い。彼らがボールを持ってピック&ロールを展開してくれることで、僕自身のプレーもずっと楽になります」

ミッチ・ジョンソンヘッドコーチも、この起用法について次のように意図を語った。「チームとして自然な進化を遂げるためのステップであり、適切なタイミングで前進させる時が来たと考えています。彼らはチームで最も優れた選手たちであり、全員がドリブル、パス、シュート、ディフェンスをハイレベルでこなせる。サイズもあり、何よりアンセルフィッシュです。まだ時間はかかりますが、実戦で良い経験を積めました」

昨シーズン、この3人が同時にコートに立った時間は69分(そのうち25分はNBAファイナル)に留まり、得失点差も大幅なマイナスを記録していた。しかしフォックスは「ファイナルやプレーオフを通じて、全員でコートに立つ手応えは感じていた。先発で並び立つ可能性があることは分かっていたし、みんなこの挑戦にすごくワクワクしている」と語り、自信をのぞかせた。

スパーズが再びファイナルの舞台に進み、今度こそ頂点に立つには、『3ガード』のケミストリーが欠かせない。