カイリー・アービング

クーパー・フラッグとの共存で新たなチームへ

マーベリックスは2025-26シーズンを26勝56敗で終え、西カンファレンス12位に沈んだ。ルカ・ドンチッチのトレードに続き、アンソニー・デイビスも放出と、再建の軸は2025年のドラフト全体1位指名選手であるクーパー・フラッグへと移っている。

チームは新たな指揮官に育成やチームの連携を重視するダスティ・メイを迎えたように、球団社長のマサイ・ウジリも長期的な視点で体制を整えようとしている。それには前十字靭帯断裂による長期離脱を経て、プレシーズンで実戦復帰を果たしたカイリー・アービングの存在も重要な意味を持っている。

ウジリはポッドキャスト番組『The Hoop Collective』に出演した際、アービングについて「ケビン・デュラントが言っていたと思うが、カイリーはこの世界で唯一の存在だ」と、その類いまれな才能を称賛。さらに「我々は彼を本当に信じているし、このチームで成功できると確信している」と語り、チームの構想におけるアービングの重要性を強調した。

ウジリがアービングを評価するのは、ボールを持った状態から自ら得点を生み出せる能力に加え、相手ディフェンスを引きつけることで、周囲の選手にもプレーするスペースをもたらせる点だ。ウジリは「カイリーは相手を混乱させ、スペーシングを生み出す。彼一人でも局面を打開できる選手だ。それによってチームの何人かは、プレーがずっと楽になるはずだ」と期待を寄せた。

再建の中心となるフラッグは昨シーズンにルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、あらためてそのポテンシャルの高さを証明したが、それ以外の若手選手が継続して成長するためには、試合の流れを読み、得点機会を生み出せる経験豊富なガードの存在が欠かせない。それがアービングだとウジリは考えている。

両者の共存は、ウジリが新体制で実現したいチームづくりにも直結する。ウジリは2026年5月に球団社長就任と同時にオルタネート・ガバナーに就いた。この役職は、ロスター編成や選手人事、スカウティングなどを統括する立場で、アービングを昔から知っているウジリは、本人とも会話を重ねてきたと明かしている。フラッグとの組み合わせについても「どうフィットするのかを見ることに大きな関心がある」と語り、アービングの能力を新たなチーム構想の中で生かす考えを示した。

アービングは先日、マカオで行われたロケッツとのプレシーズンゲームで586日ぶりに実戦復帰。22分間の出場でチーム最多の17得点を記録し「高いレベルでパフォーマンスを発揮できて、素晴らしい気分だった」と、及第点の活躍を見せた。アービングが長期離脱前のパフォーマンスを取り戻し、フラッグと共存する方法を見いだせれば、マーベリックスの再建速度は上がるはずだ。