「ベンチメンバーのステップアップが必要」

佐賀バルーナーズは10月3日と4日に行われた三遠ネオフェニックス戦で2連敗を喫し、これで開幕から4連敗となった。

第1戦は61-97と大敗を喫し、第2戦も最終的に89-93と勝利を手にすることができなかったが、10点ビハインドを背負う第3クォーターから同点に追いつき、第4クォーターには7点のリードを奪ってみせた。この流れはセカンドユニットの奮闘によって作られ、その一人として2本の3ポイントシュートを決めて会場のボルテージを最高潮に沸かせた岸田篤生は、試合をこのように振り返る。

「昨日の試合後に(宮永雄太)ヘッドコーチが『自分のせいだ』とおっしゃっていたのですが、選手がコーチの指示に対して遂行できなかった部分があり、それを言わせてしまったことは選手にも責任があります。今日の試合は『一人ひとりがチームのためにバトルしよう』と挑んで違いは見せられたと思いますが、結果として負けてしまったことはすごく悔しく申し訳ない気持ちです。でも今日の負けは今までの3試合と違って次に繋がる部分が多々あったので、これを続けられれば、チームはもっと良くなると思うので、下を向かずに今後の成長に繋げたいです」

追い上げを見せた時間帯は、佐賀が得意とするコート上に立つ5人が連動してオープンショットを作り出す『フローオフェンス』を構築できていた。それを裏付けるようにクォーターごとのチームアシスト数は、第3クォーターで最多の5本を記録し、得点源のデイミアン・ドットソンとナシール・リトル以外の得点割合も5割を超えていた。これこそ佐賀の真骨頂であり、岸田もそれを体現しようと意識していたと言う。

「チームでボールを回してクリエイトし、オープンのシュートを作ることが自分の役割で、今日はそこをしっかり意識しました。今までの試合は、ナシール選手などがボールを持った時にどうしても周りが動かない状態になっていたので、パスをした選手が動いてスペースを作ることに挑みました」

セカンドユニットとして出場することが多い岸田は「試合の流れが悪い時間帯で出場する時はゲームチェンジャーとして、良い時間帯ではその流れをより良くすることを意識しています」と語り、勝利を手にするためにはベンチメンバーの力が必要不可欠と考えている。

「僕たちのスタイルは走るバスケットで、先発の5人が30分後半のプレータイムで戦うスタイルではありません。ベンチメンバーが、たとえ5分でも全力を出し切って高いスタンダードを維持することで、40分間を戦い抜くことができます。そのためにも、ベンチメンバーがやるべきことを理解してステップアップする必要があります」

佐賀はデイビッド・ダジンスキーを除き、外国籍選手とアジア特別枠が入れ替わった。新加入選手たちが佐賀のカルチャーやチームコンセプトを理解するのに時間を要しているのはコートの外からも感じ取れる。その一方で昨シーズンから在籍するメンバーも新戦力に対する理解を深める時間が必要で、チームケミストリーの向上は至上命題となっている。そしてオン・ザ・コートフリーになり、先発で外国籍選手を3名同時起用する戦術を取り入れている佐賀だからこそ、40分間を高水準で戦うためにベンチメンバーのステップアップも必要だ。

佐賀では先発起用に応える在籍8年目の井上諒汰や地元出身の角田太輝の影に隠れることが多いが、岸田も在籍6年目を迎える30歳のベテラン選手だ。佐賀の歴史を知る彼がセカンドユニットを正しい方向に導くことができれば、現状打破の道はきっと拓けてくる。