
ダジンスキー「ドットソンとリトルに頼ってはいけない」
今シーズンの佐賀バルーナーズは、千葉ジェッツからナシール・リトル、琉球ゴールデンキングスからデイミアン・ドットソンとエース級のウイングプレーヤーを獲得。デイビッド・ダジンスキーとともにスモールバスケットを追求するロスターを組んだ。しかし思い描いていたスタートダッシュを切ることができず、開幕から4連敗を喫した。
ここまでリトルは平均23.0得点、ドットソンも19.5得点と2人でチームの5割以上の得点を占める働きを見せている。実際に彼らが1on1で切り崩す場面は多く見られ、固く閉ざされたディフェンスも個人の力でこじ開けて無力化していった。宮永雄太ヘッドコーチも、彼ら2人がオフェンスの中核であることは認めながらも、この連敗をこう振り返る。「どうしても彼らにボールが渡った時にワンテンポ遅れることがあります。ボールが止まる瞬間が生まれてしまい、それは自分たちのリズムじゃないので連携を高めなくてはいけません」
宮永ヘッドコーチは就任時より全員が連動して流れの中でオープンショットを構築する『フローオフェンス』を志向しているが、新チームになってから高いオフェンス能力を誇る2人がその力を個人技で発揮すればするほど、周りのプレーヤーが立ち止まってしまっていた。指揮官も「まだ理想形の10%程しか到達していないですね」と、辛辣な評価を下す。
そして、宮永ヘッドコーチをしてフローオフェンスの軸と言わしめるダジンスキーも「これ以上ドットソン選手やリトル選手に頼ってはいけない」と警鐘を鳴らし、こう続ける。「この2人が30点以上取らないと負けるチームになってしまったら、長いシーズンを戦うことができません」。高い得点能力があるからこそ、彼らに期待してしまうのは仕方ないが、佐賀ではファーストオプションとして考えるのではなく、フローオフェンスが行き詰まった時の最終手段として彼らのオフェンス能力が発揮されるように仕向けなくてはいけない。
10月4日に行われた三遠ネオフェニックス戦の第3クォーターには10点差を追いかける展開から同点に追いつき、第4クォーターの7点リードに繋げる見事なカムバックを見せた。この時間帯はチームがフローオフェンスを体現し、オープンショットを数多く作って三遠のディフェンスを混乱状態に陥れた。宮永ヘッドコーチも「セカンドユニットが機能して、火力を継続できたことは自信に繋がりました」とセカンドユニットの健闘を称えた。
しかし、この試合は第4クォーターのオフィシャルタイムアウト明けから歯車が狂い、逆転を許してしまった。フローオフェンスの構築、セカンドユニットを機能させることに改善の兆しが見えた矢先に、ゲームクロージングを完遂するという新たな課題が生まれたのだった。
それでも、新たな課題が生まれることはレギュラーシーズンを戦っていく上で切っても切り離せないモノで、強いチームへと成長するためにはPDCAサイクルを回し続け、いかに成果を最大化できるかが重要となる。宮永ヘッドコーチは課題と向き合い、上を目指す覚悟を示した。「この経験を生かさないといけないですし、ステップダウンしてはいけません。ステップアップするためにもトライし続けます」