ディー・ジェイ・ホグ

「負けていたら楽しくなかったでしょうね(笑)」

10月2日に行われた千葉ジェッツとアルバルク東京の一戦は、Bリーグ史上2度目となるクアドラプルオーバータイム(4回延長)に突入する歴史的死闘となったが、総合力でわずかに上回ったA東京が138-131で勝利した。

この試合、誰よりも特別な思いを抱いてコートに立っていたのがディー・ジェイ・ホグだ。昨シーズンまで2年間にわたり千葉Jに所属し、ホームアリーナであるLaLa arena TOKYO-BAYでエースの輝きを見せてきた。

試合後の会見に現れたホグは「長かったけど楽しかった」と笑みをこぼすと、かつて大きな歓声を浴びたコートに敵として立つ感覚についてこう振り返った。「最高でしたね。ブースターの大声援もすごかったです。今回は自分に対してのアウェーの歓声だったという点を除けばですが(笑)。でも、それはとても新鮮でした。アウェー側の新しいロッカールームに入るのも、反対側からコートに出るのも今まで経験したことがなかったので不思議な感覚でしたが、本当に楽しかったですし、良い試合でした」

前半はファウルトラブルもあって2得点に留まったが、後半に入ると持ち前のシュート力を発揮。第3クォーターには同点に追いつく8連続得点を挙げ、4度目のオーバータイムには勝利を決定づける3ポイントシュートも沈め、24得点とさすがのプレーを見せた。ホグも「リングの感触はとても慣れ親しんだものでした。打ち慣れたリングだったので、後半にしっかりシュートを決め切ることができて良かったです」と言う。

Bリーグに来る前はオーストラリアリーグでプレーし、その時に古巣との対戦は経験したことがあった。それでも、2年千葉Jでプレーした重みは過去のそれとは違うと言い、かつての仲間やホームへの強い愛着をのぞかせた。「あっちでは1年だけでしたが、ここでは2年間ですから。シーズンもずっと長いですし、ここで60試合近くプレーしました。いずれもほぼ同じメンバーでしたし、彼らとここで対戦するのは特別で不思議な感覚でした」

そして、劇的な追い上げを見せた千葉Jに対して、健闘を称えることも忘れなかった。「ネイト(ウィリアムズ)やルーク(・メイ)が素晴らしいプレーをしていて、とにかく彼らは最後まで戦い抜いてきました。原(修太)選手は私の目の前でナイスなトランジションスリーを決めてきましたね。試合を終わらせるチャンスが何度もあっただけに、負けていたら楽しくなかったでしょうね(笑)」

当然ながら、現在ホグはA東京の一員だ。過去2年間でともに戦った時間は消えないが、これからは千葉Jの前に強大な敵として立ちはだかる。ホグは古巣へのリスペクトと誇りを胸に、A東京の新たな柱として、さらなる飛躍を誓った。

「ここでプレーするのが大好きでしたし、今でもここで戦うのを楽しんでいます。ファンの皆さんはいつも素晴らしくて、恋しい存在です。千葉Jのファンの温かさを知っている分、相手側にいて相手のファンに応援される気持ちを今日理解しなきゃいけないと思っていました。今は新しいチームに所属しているので、それを受け入れて前へ進んでいきます。ここに戻って来られて、勝つことができて本当に良かったです」