「完成された強力なバスケにアクセントを加える」

デマー・デローザンは37歳になった。9年間所属したラプターズから放出された2018年から、スパーズ、ブルズ、キングスと優勝どころかプレーオフ進出も難しい再建期のチームでのプレーを余儀なくされ、選手としての『旬』は過ぎ去ってしまった。2024年にキングスに移籍する際にサイン&トレードで結んだ3年7370万ドル(約110億円)は最終年を残していたが、これは1000万ドル(約15億円)だけの部分保証。この契約最終年を破棄する形で解雇された彼は、自分でプレーする場所を選べる立場になり、ナゲッツを選択した。

380万ドル(約5億7000万円)の1年契約は大幅な減俸だが、彼にとっては何の問題もない。「しっかりとした土台のあるチームで、ただプレーするだけでなく、優勝を目指して戦うチームだ。優勝から数年が経過したけど、今も優勝争いを演じるだけの土台がある。自分自身に優勝を狙うチャンスを与えたかった。そして、お互いを求め合うと感じられるチームに行きたかった」と、彼は静かな笑みとともに語る。

「多くの選手たちと話して、みんな僕を必要な存在だと言ってくれたことが決め手になった。(デビッド)アデルマンヘッドコーチ、ジャレッド・ダドリー(アシスタントコーチ)とは以前からの知り合いだから話をした。AD(アーロン・ゴードン)は彼の兄貴と昔から対戦していたので、幼いAGがコートを走り回ってた頃から知り合っている。ジャマールやラス(ラッセル・ウェストブルック)とも話した。僕なりにリサーチしたおかげで、変な気負いなくチームに加わることができた。対戦相手として戦ってきた以外にも、僕はナゲッツのバスケがお気に入りだったから、一緒にプレーするのが楽しみなんだ」

キャリアを通じてスタメンとして、エースの役割を担ってきたが、ナゲッツでは一歩引いてニコラ・ヨキッチとジャマール・マレーのコンビを支える立場に回る。「かつての僕は平均38分プレーしていた。それが減るのも払うべき犠牲の一つだし、プレーする上であれこれ条件を付けたりはしない。何を要求されてもこなせるように準備を整え、最高の自分になってチームに貢献するだけだ」

「僕のマインドセットはただ一つ、勝つために何ができるかだ。チームの勝利に貢献できるなら何でもやる。昨シーズンは相手チームが大型ウイングにジャマールをマークさせていたけど、僕がいたらそうはいかない。僕が彼らのプレーを楽にして、彼らが僕のプレーを楽にする。すでに完成された強力なバスケにアクセントを加えるために、僕はここに来たんだ」

ちなみにデローザンの右肩には、ジョーカーのタトゥーが彫られている。「ヨキッチに関係している?」と聞かれたデローザンは、笑顔でそれを否定した。「僕は昔から『ダークナイト』が大好きで、一番好きなヴィランだからさ。ヨキッチとは関係ないけど、縁起は良いかもね(笑)」