「ただやるべきことを積み重ねた結果なんだ」

ジェイレン・ブランソンの精神性は、ニックス優勝の立役者となった後も変化していない。シーズン最初の会見に臨んだ彼は、優勝で何も学んだかと質問されて「一番の学びは、決して満足しないことだ。選手としてどう成長できるかを常に模索して、その経験を糧にしていきたい」と語った。

優勝の余韻にひたる雰囲気は一切ないし、これから始まる新シーズンをどう勝つかにただ集中している。優勝して迎えたオフを「人生で一番短いオフになったけど、光栄だったし、心から感謝している」と短く振り返り、「気持ちを切り替えてページをめくる」と続けた。

リップサービスをするタイプではないし、大きな目標も掲げない。ただ淡々と自分たちのやるべき仕事に向かうのがブランソンのやり方だ。「一番大事なのは、昨シーズンの僕たちがやったように、一日一日を大切に積み重ねることだ。昨シーズンもカンファレンスファイナルに戻り、その上を目指すと騒がれたけど、僕たちのアプローチは毎日その日に集中することだ。先のことは語らない。何をすべきかは分かっているから、新しい旅にも同じマインドセットで臨む。アプローチは去年と変わらないよ」

追われる立場になることをどう思うかと問われても、ブランソンは自分たちにフォーカスする姿勢を全く変えない。「開幕から数週間で自分たちがどんなチームで、どこにいるかが見えてくると思う。良いプレーができていても、調子が上がらなくても、そこから何を学び取るか。僕たちは互いに責任を持ちあいながら、昨シーズンそうしたように成長に道筋を見付けて、良いチームになっていくつもりだ」

「チームとしてお互いを必要として、全員が同じ認識を持つ。それが昨シーズンの学びだった。事態がいつ好転し、いつ噛み合うかは誰にも分からないけど、毎日努力を積み重ねるんだ。岩を叩き続ければ、いつか必ず割ることができる。昨シーズンも何か転換点があったわけじゃなく、ただやるべきことを積み重ねた結果なんだ」

「連覇でも王座防衛でも、呼び方は何だってかまわない。僕たちは毎シーズンで優勝を勝ち取りにいく。どう呼ぼうと僕らのマインドセットは変わらないし、それ以上のものになる。一度優勝できたという自信はプラスになるけど、油断になれば足を引っ張ることになる。だからトレーニングキャンプと開幕からの数週間で自分たちの位置を確認し、そこから成長し続けるんだ」

どの質問にも淡々と答えたブランソンだが、チームにとって『無私無欲』がいかに大事かを問われた時だけ、その言葉には熱がこもった。「それ以上に大事なことはないよ。さっきも言ったように、勝った自信は僕たちを助けることもあれば足を引っ張ることもある。でも僕たちにはお互いに何でも言えるメンバーが揃っているし、指摘を個人攻撃だと受け止めたりはしない。昨シーズンはそれがチームの大きな力になったし、継続させていかなければならない」