森井健太

森井健太は今シーズンが横浜ビー・コルセアーズ在籍7シーズン目で、須藤昂矢、キング開と並ぶチーム最古参となった。愛着ある横浜BCで勝つことへのこだわり、31歳と中堅世代に入った中での飽くなき向上心について聞いた。

「歳を取っても進化していきたい。現状維持なら若手の方が良いとなる」

――森井選手は、プロ入りした新潟アルビレックスBB時代の五十嵐圭選手に始まり、横浜BCでも河村勇輝選手、安藤誓哉選手に今シーズンから並里成選手とキャリアを通してずっと名ポイントガードと一緒にプレーしてきました。イチ選手としてプレータイムがより多い、メインガード待遇を目指して環境を変えたいと思ったことはないですか。

メインガードとなり、先発として出続けることもすごく良いと思います。ただ、ビーコルに来て青木(勇人)コーチ、今のラッシ(トゥオビ)コーチが信頼してくれ、チームが苦しい状況で試合に出してもらえている今の環境も素晴らしいと思っています。また、(母校の)洛南がシックスマンを大事にしているチームで、この意識がずっとあるのでスタメン、控えは関係なく、第4クォーターの勝負どころを任せられる選手であることに価値を感じています。「他のチームだったらスタメンでプレーできるでしょ?」とか言われることもありますが、ビーコルには「ここでしかできない経験」を毎年もらっています。そして、どんな環境でもチームに貢献できる選手になる方が、自分のキャリアにとってもプラスと思っています。

――30代となり、自分もベテランになったと感じたりすることはありますか

何よりも自分がルーキーの時、新潟でチームメートだった(五十嵐)圭さんが46歳の今も現役でやっているので、自分がベテランという意識にはなりにくいです。新潟に入った時、すでに30代後半で活躍していてすごいと思っていたのが、そこから10年近く経ってもプレーを続けていて、「どんな身体をしているの?」と思います。自分は何歳までできるのか全くわからないですが、長くチームに必要とされたいですし、そのために自分の良さをどんどん積み重ねていける選手になりたいです。

身体について何か変化を感じることはないですし、プレーについても圭さんには20代前半の頃から「ベテランみたいなプレーをするね」と言われていました(笑)。プレースタイルについてあまり気にすることはないですが、歳を取っても進化していきたい、現状維持ではダメという思いは強いです。現状維持なら自分より若い選手を使った方が良くなります。「やっぱりコイツがいないとダメだ」と思われる選手にならないといけないです。

ただ、若手はチーム内競争のライバルですけど、彼らがうまく行かなくて悩んだり、もどかしさを感じたりしている時に支えたり、気持ちよくプレーできるようなオフコートの振る舞いはより意識してやっていきます。また、今シーズンは日本が初めての外国籍選手が多いので、彼らが早く日本に馴染めるように架け橋になれたらいいです。

「土台としてチームを支えるために自分がいる」

――今シーズンでチーム在籍も7シーズン目です。加入当初はここまで長く横浜BCでプレーを続ける可能性も考えていましたか。

正直、新潟から加入した時は、ここまで長くいるとは思っていなかったです。僕が来た当初からビーコルもチームとして大きく変わっていきました。チャンピオンシップ出場も経験し、チームのスタンダードがどんどん上がっています。同じチームに長く在籍して強くしていく、カルチャーを良くしていくのは、自分のキャリアにとって楽しみの一つになっています。また、キャプテンも今年で5シーズン目となり、リーダーシップを取って若い選手たちと一緒にやることは自分の成長に繋がっています。毎年キャプテンを任せてもらえるのは素直にありがたいです。

――勝てる環境のみを追求していけば、移籍も選択肢に上がってくると思います。その中で横浜BCでずっとキャリアを重ねてきたのは、どんな理由が大きいですか。

優勝したい、チャンピオンシップに出場したいとなったら移籍の選択肢も全然アリで、それも選手のキャリアの中で大事だと思います。その反面、これだけ長くチームにいさせてもらえて、自分はビーコルですごく成長できています。この感謝の気持ちは大きいですし、勝てなかった時期でも変わらず応援をしてくれるファンの方たちのためにも、ビーコルでプレーオフやファイナルに出場したいです。自分にとってビーコルの選手として大舞台でプレーすることに勝る達成感はありません。このチームでしかできないチャレンジがあって、それを何としても成し遂げたいです。

――あらためて、今シーズンの自身の役割として意識したい部分を教えてください。

一緒に出ているメンバーによって、自分のやるべきプレーは変わってきますが、大前提として自己犠牲をいとわない姿勢を見せていきたいです。スタッツに見える部分だけがバスケットではない。目に見えないところで身体を張ったり、土台としてチームを支えるために自分がいると思っています。その姿勢を見せることで、他の選手に「自分も泥臭い仕事を頑張ろう」と思ってもらえるようにしていきたい。どんな状況でもやるべきプレーを常にやり続ける。みんなが嫌がるような仕事を率先してやっていける選手、リーダーでいたいです。

――最後にファンへのメッセージをお願いします。

新しいビーコルは、激しいディフェンスから全員が走る、見ていて面白いゲームをたくさんしていきたいです。日程が変わって平日ゲームが増えることで、これまでに比べ試合に来られないファンの方もいるかもしれません。その中でも、日々の暮らしの中でビーコルの試合をエンターテインメントの一つとして楽しみにしてもらえる、魅力あるチーム作りをしていきたいです。今シーズンも目標に向かって頑張っていきますので、是非とも一緒に戦ってほしいです。