「ルールが変わり続けて常に進化していくのがBリーグ」

昨シーズンの富樫勇樹はコンディション調整に悩まされ、本来の力を十分に発揮することなくシーズンを終えた。そのため、今夏は日本代表の活動も抑えケガの治療に専念した結果、現在は痛みがなくプレーできており、今シーズンの意気込みについてこう語る。「この1シーズン半に比べたらかなり良い状態ではあるので、しっかり本来のパフォーマンスを取り戻した姿を見せたいと思います」

近年の千葉ジェッツは高卒バスケのスターだった瀬川琉久の加入や、NBAに挑戦していた渡邊雄太が日本復帰に選んだチームと話題性も強く、毎年のように優勝候補に名を挙げられているが、この2シーズンは無冠に終わっている。結果が求められる今シーズンは、千葉ジェッツの原点である高速バスケを取り戻すべく、アップテンポなゲーム展開を信条とするアドリアン・コヴァーチを指揮官に任命。外国籍選手も身体能力が高くアスレチックなブランドン・ランドルフとネイト・ウィリアムズ、そして昨シーズン、コヴァーチヘッドコーチとともにバレンシアで戦ったマット・コステロを獲得し、陣営を整えた。

「去年とのギャップがあるので、体力云々というよりもまずはメンタルを変えていく必要があります。自分が持っていたシュートセレクションの感覚を取り戻さなくてはいけません」と、富樫はハーフコートバスケが主体だった昨シーズンから順応するために、まずは自分を見つめ直すことから始めていると言う。

代表活動と重なり富樫や渡邊がいない試合もあったが、千葉Jはプレシーズンマッチの初戦から3試合にわたって100点ゲームを続けた。高速バスケを取り戻したチームは、タイトルを獲得した時代と同じ勢いを感じさせる。富樫もタイトル奪還への強い思いを明かす。「この2年間はタイトルから遠ざかっているので、個人的にタイトルを勝ち取りたい思いもあります。ですが、それ以上にチームのみんなが強く思っていてくれるのは心強いです」

だが、その道のりも平坦ではない。外国籍選手出場制限の緩和やサラリーキャップの導入といった新たなレギュレーションが加わり、リーグは戦力均衡を推し進めている。富樫も今シーズンについて「これまでは、シーズン前にどのチームがどれぐらいの成績を残せるかなんとなく予想して、その結果の通り終わることが多かったですが、今シーズンは今まで以上に読めないところが面白いんじゃないでしょうか」と一筋縄でシーズンが終わることはないと、私見を述べる。

「ルールが変わり続けて常に進化していくのがBリーグだと思っています。僕たちにできることは、コートに出たら全力でプレーすることだけです」

その言葉の通り、富樫は全力でプレーできるコンディションを取り戻した。もともと速いゲーム展開を得意とする彼にとって、今シーズンのチームは本来の富樫勇樹のプレーが発揮できる戦力が整っている。『JETS SPEED. JETS PRIDE.』を再び取り戻せるか。今シーズンの戦いぶりが楽しみだ。