
「本当に桶さんがいい雰囲気を作ってくれた」
男子日本代表は『FIBAワールドカップ2027アジア地区予選』Window4でサウジアラビアに103-86、カタールに123-70と、ともに大差で勝利し、ワールドカップ本大会出場へ向けて大きく前進した。
今回のWindowは八村塁、河村勇輝のNBA組が合流。十分な練習期間がない中でも、2人を軸にしたオフェンスが機能したことが大勝に繋がった。2試合ともスタメン起用で、NBA組と一緒にコートに立つ時間も多かった西田優大は、「ケミストリーの部分でもっと気を使うんじゃないかと思っていましたが、全然そういうことがなくできたのはすごく良かったと思っています。(八村にとって)ウィザーズで一緒だったライアン(リッチマンアシスタントコーチ)がいるのも大きいですし、本当に桶さん(桶谷大ヘッドコーチ)が良い雰囲気を作ってくれたと思います」とチームの雰囲気の良さを語る。
今回の代表は八村と河村の個人技に任せきりにするのではなく、彼らがプレーしやすい状況をチームで上手く作り出していた。そのうえで、桶谷ヘッドコーチは八村と河村が見せたチームファーストの献身的な姿勢を称えた。「すごく心配していたところではありましたが塁、勇輝が今まで僕たちが作ってきたケミストリーを壊さないように気を使ってチームに入ってくれました。僕が思っていた以上に、彼らは本当にチームのためにバスケットをしてくれたと思います」
八村、河村の個を強調する以上、ボールタッチの機会は減るが、西田はサウジアラビア戦で13得点、カタール戦でも11得点を記録した。NBA組が合流しても変わることなく質の高いプレーを披露することができる理由について西田はこう語る。
「彼らが入ってきても僕の役割は変わらないです。だからこそ自分の役割に自信を持って取り組めているところが、プレーに出ていると思います」
振り返れば1年前の西田は、若手主体で臨んだ『FIBAアジアカップ2025』で控え選手として出番も少なかった。トム・ホーバス体制での西田はオンボールディフェンスを高く評価される一方で、3ポイントシュートが入らないと出番が減る不安定な立場だった。
桶谷体制になり、シーホース三河で3年間一緒だったリッチマンアシスタントコーチ(現・アルバルク東京ヘッドコーチ)がオフェンス面を取りまとめるというめぐり合わせもあるが、ハンドラーとしての優れた打開力と堅いディフェンスを評価され、Window3と4でもしっかりと主力を務めた。
外から見ると1年前とは対照的で、順風満帆に歩みを進めているように見えるが、「いや、もう大変でした(笑)。総括すると悪くなかったと思いますが、自分を出すタイミングとロールプレーヤーになる時の見極めの大切さをすごく感じました」と、苦悩もあったと明かす。だが、試行錯誤を重ねる中で、いつ自分を出すべきなのか、その最適解を見つけ出したことはWindow4のプレーが示している。それは、首脳陣からの信頼を勝ち取っている何よりの証でもある。西田自身もその信頼を感じており、「これまで以上に(信頼が)あると思っています」と語る言葉からは、揺るぎない自信が伝わってくる。
11月末のWindow5では日本と同じ6勝2敗のレバノンと対戦する。NBA組が不在なのは不安材料だが、西田は「彼らがいつも来られるわけではないので、僕は僕で良い準備をして次に臨みたいと思っています」と意に介さない。ロールプレーヤーの重要性を認識したことでさらなる進化を遂げた西田には、チームを引っ張るパフォーマンスに期待したい。