
3年で37試合出場のみのNBA、4年ぶりにチャンスを得る
セブンティシクサーズは身長228cmの『超』長身センター、タッコ・フォールとエグジビット10契約を結び、トレーニングキャンプに参加させる。フォールにとっては、NBAの舞台に立つこと自体が4年ぶりとなる。
フォールはセントラルフロリダ大からドラフト外でプロ入りした選手だ。2019年、セルティックスの一員としてサマーリーグで注目を集めると、そのまま2ウェイ契約を勝ち取り、規格外の長身と人懐っこいキャラクターでファンの心をつかんだ。その人気は、試合終盤に「タッコをコートへ」の大合唱が起きるほど。それでも実際には出場機会を勝ち取れず、セルティックスでの2シーズンでは26試合の出場に留まった。
3年目はキャバリアーズに移籍するも、シーズンのほとんどをGリーグで過ごし、NBAでの出場は11試合のみ。このシーズンを最後にNBAから離れていた。
定着できなかった最大の要因はディフェンス面の機動力で、ピック&ロールでのスイッチなど対応の遅さが常に狙われた。オフェンスでも外角シュートをほぼ持たず、スペーシングを重視する現代のNBAでは出場時間を得にくい選手だった。
その後の4年間、フォールは活躍の場を海外に求め、中国やニュージーランドでプレーしてきた。この4シーズンは平均11.1得点、7.1リバウンド、2.1ブロックと、NBA時代とは打って変わって主力級の数字を残している。ただし、NBAのバスケは全くの別物。規格外のサイズを生かしたリムプロテクトやスクリーンが求められるだろうが、まずは先に挙げた弱点が解消できているかどうかが問われる。
シクサーズはジャミール・ネルソンJr.とセイント・トーマスにもエグジビット10契約を与えている。ネルソンJr.は、球団副社長を務めるジャミール・ネルソンの息子で、スパーズ、キングスに続く3年目のトレーニングキャンプ参加となる。昨シーズンはGリーグのストックトン・キングスで19.9得点、3.7アシスト、3.2リバウンドを記録した。トーマスはシクサーズ傘下のGリーグチーム、デラウェア・ブルーコーツでプレーしてきた201cmのウイングだ。
シクサーズは3つ目の2ウェイ契約の枠を残しており、この枠を3選手がトレーニングキャンプで争うことになる。ネルソンJr.とトーマスは直近のGリーグで結果を残しており、チーム内に足掛かりがある点で、フォールよりも即戦力としての期待は高いと言える。
とはいえ、フォールにも『関係値』はある。同じアフリカ出身選手としてジョエル・エンビードとはNBAデビュー前からワークアウトをしていた間柄。ジェイレン・ブラウンはセルティックスでの先輩だった。そして今夏からシクサーズの編成を司り、強力なロスターを築き上げたマイク・ガンジー球団社長は、キャブズのアシスタントGMだった時代にフォールを獲得している。
高いポテンシャルを秘めながらNBAに順応しきれないまま30歳となったフォールにとって、4年間磨いてきた実力をぶつける今回のトレーニングキャンプ参加は『キャリアの正念場』となる。