高校部活とB.LEAGUEユース。年代は同じでもバスケのスタイルが異なる両者が同じコートで対戦する「U18日清食品トップリーグ」に、一際強いモチベーションを持って臨むのが千葉ジェッツ U18を率いる吉村康夫コーチです。

「良い環境があり、トップチームで通用する選手を育てるという目的を持って私たちは活動していますが、勝たなければ負け犬の遠吠えです。福岡大学附属大濠(福岡県)や東山(京都府)を倒すことで初めてB.LEAGUEユースは認められ、私たちがやっている活動も評価されると思っています。そのチャンスがもらえるのが、このU18日清食品トップリーグです」

B.LEAGUEユースではリーグ戦が行われており、出場チームは2つのリーグ戦を戦うことになりますが、そのどちらでも勝ちにこだわって、なおかつ自分たちのスタイルを貫くのが千葉ジェッツ U18の狙いです。

千葉ジェッツ U18のスタイルは、トップチームと同じスピーディーなバスケ。ボールを奪った瞬間、あるいは相手に得点を決められた瞬間、攻めの最初のプレーの判断力とスピードでトランジションをいかに出せるかがポイントです。8月22日(土)、四日市メリノール学院(三重県)との開幕戦は、第1クォーターはトランジション連発で26-16と2桁のリードを奪う素晴らしい立ち上がりとなりましたが、試合が進むにつれてトランジションの判断力、最初の一歩の鋭さが鈍り、後半に逆転負けを喫しました。

トップチームを連想させる鮮烈な攻撃バスケを展開するも、プレーの強度と運動量を40分間保つことができなかったことが敗因でした。トランジションの起点となるポイントガードの千田侑世選手は「序盤は走れましたが、そこから相手にオフェンスリバウンドを取られ、ディフェンスからすぐ前にパスを飛ばせなくなりました」と試合を振り返ります。

早い展開を意識すればするほど、受け手とのわずかな呼吸のズレがターンオーバーに繋がったり、リスクは高くなります。その紙一重のプレーを成立させながらペースメークをする役割を楽しみつつ、責任の重さも感じながら千田選手はコートに立っています。「リスキーなパスをしっかり通すのが自分の役割で、このスタイルでプレーする以上、ミスを1つもしないのは難しいですが、それでもガードがターンオーバーをしないのはすごく大事なので、その判断の質をもっと高めていきたいです」

トランジションバスケの起点となるのはガードの千田選手だけではありません。エースの深水虎太郎選手もまた、鋭いリムアタックで相手にプレッシャーを与えることでペースメーカーの役割を果たします。ただ、四日市メリノール学院との試合に深水選手は出場していません。プレシーズンマッチを戦うトップチームに招集されたからです。千葉ジェッツ U18としては必勝を期す試合でも、深水選手にとってコールアップは大きなチャンスだけに、チームはエースを快く送り出しました。

その深水選手に代わって先発に抜擢されたのがフローニング コリン・野口選手です。日本とアメリカのハーフで、UAEで生まれ育った195cmのフォワードは、試合開始早々にピック&ロールからゴール下の得点を奪ってチームに勢いを与えます。その後も体格の良さとスピードの両方を生かしたスケールの大きなプレーを見せたものの、アグレッシブな姿勢が裏目にも出てファウルトラブルにも苦しみました。

「速い展開の中で得点に絡むのが僕の役割ですが、気合いが空回りしてファウルが先行しました。ペイントを守らなければいけないところで外に引っ張り出されて、ドライブに対してファウルをしてしまい、1回目でアジャストしなければいけなかったです。全然まだまだだと感じました」と野口選手は反省を口にします。

それでも千田選手は、野田選手をこう擁護します。「コリンは常に先頭を走ってシールをしてくれます。そのままワンパスでコリンに1対1をさせることもできるし、自分たちがペイントアタックしたり合わせのパスを出したり、コリンがいることで生まれるプレーがたくさんあります。僕がガードとしてコリンがもっとプレーしやすい状況を作ってあげなければいけないと思います」

開幕戦での負けは手痛い一敗となりましたが、千葉ジェッツ U18のトランジションバスケという特徴が非常に良い形で出た試合でもありました。高校バスケらしい『根性』で勝利をもぎ取った四日市メリノール学院の戦いぶりから、勝利にこだわる気持ちの強さを吸収して、より強いチームになることを目指します。

千田選手はここからの巻き返しを誓うとともに、リーグ戦で自信を高めたいと言います。「このリーグ戦で優勝し、ディビジョン1でも勝てるようになったら、歴史を変えたと言えると思います。B.LEAGUEユースの他のチームではなく、自分たち千葉ジェッツが歴史を変えるんだ、という気持ちで僕たちはこのリーグ戦に挑みます。初戦は負けてしまいましたが、最後の最後まであきらめずに、B.LEAGUEユースが高校バスケに負けていないところを見せたいです」

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