
新井翔太は『Bリーグドラフト2026』に参加するも、どのクラブからも指名を受けることができなかった。失意の中にいたが、島根スサノオマジックが特別指定選手として手を差し伸べた。新井はその期待に応えるように、類まれな得点力とアシスト能力で、主力が欠けたガード陣の中で奮闘。5月に行われたファイティングイーグルス名古屋戦では23得点3アシストを挙げ、シーズンを通して平均6.9得点、2.9アシストを記録した。Bリーグでも戦えることを証明し、今シーズンは横浜エクセレンスから期限付き移籍で島根でプレーする彼に、Bリーグでの経験、これからについて語ってもらった。
「多くのことを学べたオフシーズンとなりました」
──オフシーズンを含め、最近はどのように過ごしていましたか?
プレシーズンも始まって、少しずつ今シーズンの準備ができています。それに伴って、やっとシーズンが始まりそうだとワクワクの気持ちが高まっています。自分にとって勝負の年だと思っているので、『やってやるぞ』という気持ちもすごく大きいです。
オフシーズンはボールに触れないでいると次のシーズンに上手く合わせることができないとも考えていました。その中で岡田侑大さんと1週間ぐらいワークアウトを一緒にさせていただきました。そして、トップの選手がオフシーズンにどのようなことをするのかを学ぶこともできました。オフシーズンは身体を休める期間ではありますが、次のシーズンに向けて課題を克服する期間でもあるということを含め、多くのことを学べました。
── このオフシーズンで特に『ここは成長できたな』と思えるところを教えてください。
プレー面よりも、メンタル面を少し向上させることができたかなと思っています。自分に自信がなかったわけではないですが、岡田さんと一緒にワークアウトをしたことで自分のプレーの幅が少しずつ広がっていきました。プレーの幅が広がってきたことで、メンタル面も向上し、以前よりも自分に対して自信を持つことができるようになったかなと思います。
── あらためて昨シーズンの振り返りをお願いします。まず、『プロになるぞ』と志願しましたが、ドラフト会議では悔しい思いをしました。
ドラフトでは、指名を受けることができませんでした。ただ、島根スサノオマジックが自分を拾ってくださったことで、特別指定選手としてプロの世界に入ることができました。そこで広瀬(健太)ゼネラルマネージャーから、ドラフトで指名されなかった選手でもBプレミアで契約できる希望があると教えていただきました。リーグにも確認していただいて条件がクリアになったことで、今シーズンも島根でプレーすることができるようになりました。
── あらためてBプレミアでプレーできる喜びがあったと思います。SNSでは少し変化球のような契約として注目され、批判的な反応がなかったわけではありませんでしたが、当時はどのような気持ちでしたか?
周りの声は、あまり気にしていませんでした。自分はBプレミアでプレーしたいと思っていましたし、エージェントの方やGMの方々には、その契約に至るまで本当に動いていただいてすごくお世話になりました。自分の中の『Bプレミアに残りたい』という気持ちはずっと変わらなかったので、本当に残ることができてよかったと思っています。

「北川弘さんがいてくれたからだと今でも思っています」
── 昨シーズン、特別指定選手としてBリーグでプレーしてみて、上手くいった部分、プロとして成長が必要だと感じた部分についてお聞かせください。
厳しかった部分として、大学の強度とプロの強度では圧倒的に違いがあったということです。それは試合だけではなくて、練習から本当に強度が高いということを痛感させられました。強度に慣れるまで時間がかかりましたが、先に経験できたのは良かったです。プレー面ではディフェンスがずっと自分の課題で、プロの世界に入ってからはより大きな課題になりました。
ポジティブな部分だと、自分の得点能力や味方を生かすアシストは、大学生の頃から得意としていたプレーで、プロでも通用することが分かったのは自信に繋がりました。
── 岡田侑大選手がケガをしたタイミングで島根に加入しました。『河村勇輝二世』などと世間から騒がれて、ハイライト動画が多く上がりました。振り返ってみていかがですか?
『運が良かった』という表現にはなってしまいますが、他の誰がケガをしていたとしても、自分にはチャンスがあったと思います。ただ、そのチャンスを逃さなかったことは、自分の中で評価してもいいのかなと思っています。特別指定選手だからといって、プレータイムがもらえないとは思っていなかったので、そこへ向けて準備をしていたことが結果に繋がったと思います。
岡田さんがケガをした試合で、いきなり自分に出番が回ってきた時は不安も大きかったですが、チームメートが優しく声をかけてくれました。どれだけ自分がミスをしたとしても、「次に切り替えよう」と声をかけてもらいました。自分が加入してから出場した20試合は、チームメートに大きく支えてもらったと本当に思っています。
基本的にみんなが声をかけてくれましたが、その中でも自分が加入する前に左膝前十字靱帯を断裂してしまった北川弘さんは良いプレーをしても、悪いプレーをしても必ずアドバイスをくれました。それは今でも変わらず、今シーズンに入ってからも声をかけてくれる存在です。自分がここまで思い切ってプレーできているのは、弘さんがいてくれたからだと思っています。