大型補強で厚みを増した直後の離脱、痛手は最小限に

トレイルブレイザーズのシェイドン・シャープが個人ワークアウト中に右膝の半月板を断裂し、今週中に行われる手術を経て約6カ月の離脱が見込まれることが分かった。シャープの復帰は来年3月になる見通しだ。

シャープは2022年のNBAドラフトで1巡目7位指名を受けたカナダ出身のガードだ。ケンタッキー大に途中編入しながら、大学では一度も公式戦に出場しないまま指名された『賭け』のような存在だったが、バネのある身体能力を武器にブレイザーズで着実に成長。昨シーズンは左脛骨のストレス骨折で32試合を欠場しながらも、出場した試合では平均20.8得点、4.3リバウンド、2.6アシストを記録した。

これはエースのデニ・アブディヤに次ぐチーム2位の得点で、2021年以来となるプレーオフ進出をチームにもたらした立役者の一人だった。生え抜きの成長株が、その活躍を評価されて結んだ4年9000万ドル(約140億円)の契約延長が今シーズンから発効するタイミングでの離脱だけに、ファンにとっての衝撃は大きい。

もっとも、今回の離脱がチームに与える打撃は、昨オフの大型補強によって和らげられる。ブレイザーズはグリズリーズとのトレードでジェレミー・グラントとクリス・マレーを放出し、2度のオールスター経験を持つジャ・モラントを獲得している。さらにアキレス腱断裂で昨シーズンを全休したデイミアン・リラードも復帰し、ドリュー・ホリデー、アブディヤも含めた分厚いバックコート陣を築いていた。開幕当初はモラント、リラード、アブディヤが先発を組む構想だったとされ、シャープはこの豪華な顔ぶれの中で出場機会を争う立場にあった。

とはいえ、ベテラン勢による戦力の底上げと、ドラフトで指名した生え抜きの成長は、ファンにとって意味合いがまるで違う。分厚いロスターがあればこそ勝敗への影響は最小限に抑えられるかもしれないが、ルーキーイヤーから成長を見てきた23歳がまた足止めを食らうことに。スクート・ヘンダーソンがハムストリング断裂で2月までプレーできなかった昨シーズンに続く生え抜きのケガに、割り切れない思いを抱くファンも多いはずだ。そして、豪快なダンクに代表されるシャープの爆発的な運動能力が、このケガで損なわれてしまう懸念もある。

公的資金による大規模なアリーナ改修を勝ち取ったばかりの球団にとって、今シーズンの結果はオーナー、トム・ダンドンの経営手腕を占う意味でも重みを増している。生え抜きの成長株が復帰する3月に新生ブレイザーズがどんな立ち位置にいるか、この6カ月はチームとファンの双方にとって試される期間となりそうだ。