ジェイコブス晶

シュート向上のカギは「メンタルの移行」

8月16日に行われた韓国代表との強化試合を連勝で終えた直後、桶谷大ヘッドコーチは満員の観客に向かってこう言った。

「今日僕たちにはファイターが必要だと話をして、晶が11リバウンドを取ってくれて。やっぱり彼、今日は試合前から表情が良かったんですよ。ファイターの顔をしていた。晶がそういうところをやってくれたからガード陣が良いシュートを打てたんだと思います」

桶谷ヘッドコーチは試合後の記者会見でも、この試合におけるジェイコブス晶の貢献を繰り返し称賛した。27分強の出場時間で4得点11リバウンド(オフェンスリバウンドは5)2アシスト。この試合で彼よりインパクトのあるプレーを見せた選手はたくさんいるが、それでも桶谷ヘッドコーチは第一声で、誰に尋ねられるでもなく彼の戦う姿勢を真っ先に称えた。

8月19日に行われたメディアデーで、指揮官からの言葉をどう受け止めているかをジェイコブスに尋ねた。22歳と年齢的には若手だが、2024年のパリ五輪代表を含めメンバー随一の代表経験を誇るジェイコブスは、すでに指揮官の称賛を素直に受け取り、喜ぶフェーズにはいない。

「まだ自分は全然(良いプレーが)できていないと考えています。オフェンスリバウンドやハッスルはもちろんやっているけど、それはやるべき最低限のことという感じ。それにプラスして何かができるのがトップの選手だけど、そこがまだできていないのが代表チームで感じる自分の課題。今はもう(アグレッシブにプレーすることだけで評価される)若手でなく、さらに上のレベルで活躍しなければいけない場面なので、そうできるように頑張りたいです。褒めてもらえるのはもちろんうれしいですけど、自分はそれ以上できると信じているので」

ジェイコブスは韓国戦でのプレーについて「本当にオフェンスができてない」と厳しい自己評価を下している。確かに、この日のジェイコブスはポジショニングやスペーシングに苦戦している様子が見られ、シュートアテンプトは2ポイントが2/4、3ポイントシュートが0/4だったが、シュートセレクションについては「悪いシュートは打ってないし、狙っているシュートを全部打ている」と言い、あとはそれを試合本番で決め切る力を身につけることだと話した。「毎日のようにシュート練習をしているし、練習中は決まる。練習から試合へのメンタルの移行がまだうまくできていないので、改善していきたいです」

Window4に向けた直前合宿より、NBAで奮闘する八村塁と河村勇輝がチームに加わった。彼らと同じ舞台を目指すジェイコブスは、日々の練習から彼らとの差を痛感していると話しているが、悲観はしていない。

「やっぱそこ(NBA)に行くなら、やっぱ2人を超えるぐらいじゃなきゃいけないし、それより下だとチャンスはない。全然まだまだ足りてないっていうのがすごく分かるんで、大学でも頑張らなきゃいけないし、あと何回かの代表の練習と試合でも頑張らなきゃいけない。でもまだ成長する余地があることが自分の中でもすごくうれしいですし、これからもっと頑張れるっていうことでもある。楽しみにしています」

Window4のサウジアラビア戦とカタール戦を終えると、ジェイコブスはアメリカに戻り、NCAAの新シーズンに向けた準備に入る。この2試合でさらに多くの経験と成功体験を積み、強敵ぞろいのNCAAでさらなるステップアップを果たしてほしい。