桶谷ジャパン体制「僕の特徴が生かせるバスケットです」

男子日本代表は、韓国代表との強化試合(8月15〜16日)で連勝し、良い流れのまま『FIBAワールドカップ2027アジア予選』Window4に向けたチーム作りを進めている。この2試合は八村塁、河村勇輝が代表に復帰し、期待通りの支配力を見せてくれたことが一番の収穫だ。そして、それ以外のポシティブな材料の一つが吉井裕鷹のプレーだった。

これまで吉井は、『FIBAワールドカップ2023』、『パリオリンピック』に出場するなど豊富な代表経験を誇る。だが、桶谷大ヘッドコーチ体制となってからはコンディション不良の影響で、これまで試合出場は無し。前回のWindow3も強化合宿には参加していたが、遠征メンバーに選出されていなかった。今回の韓国戦では2試合ともプレーし、確実に状態が良くなっていることを示してくれた。

この2試合を終え、吉井は「今のところは、この感じでトレーニングを続けていけば、前よりも良い状態の身体を作れると思っています」と現状について語る。

そして「本当に(韓国と)試合をできて助かりました」と収穫を得た。「いきなり本番(Window4)に入ってしまうと難しかった部分はあります。やっぱり(渡邊)雄太さんが復帰したり、塁も出場すると自分の出場時時間はタカが知れています。上手いファウルの使い方とか、点数を取らせたい人にどうやったら取らせることができるのかなど、試合をすることでちょっとずつ、つかめてきた部分はあると思います」

また、桶谷体制が目指す、チームで攻める中で個の強みを大切にするスタイルへの手応えを続ける。「僕の特徴が生かせるバスケットです。プレーメークしてくれる人たちのために、どういう動きをしたらいいのかは、もっと考えることができる。チームで作る、しっかりしたバスケットを表現する力はあると思います。良いバスケットをするには、個もチームワークも使わないといけない。良いバランスでやっていくために、どうしたら良いのか考えていくだけです」

Window4初戦の舞台となるサウジアラビアのジェッダは、1年前の『FIBAアジアカップ2025』で日本代表がベスト8決定戦で惨敗を喫した地だ。この大会に出場していた吉井は、「もっと日本が強くなるためにはイチから考え直さないといけないです」と厳しい言葉で総括していた。

アジアカップは若手中心の編成であり、ベストメンバーを最優先とするWindowと位置付けは全く違う。そして、八村と河村の代表復帰によって戦力が充実した現在の日本は、閉塞感が漂っていた1年前から進化を遂げているはずだが、それでも吉井は「わからないです」と言う。なぜなら日本代表に問われるのは結果のみで、過去との比較に興味がないからだ。「僕たちは結果がすべてです。結果が良ければ良いケミストリーを築くことができた、悪かったらケミストリーを築けていなかった。ただ、それだけのことです」

「僕たちは勝つこと以外の部分をあまり見てはいけないなと。勝つためにどうしたら良いのか、その手段を見つけるためのことを常にやり続ける。勝つこと以外は価値がない、とまでは言わないですが、やっぱり結果を出さないとね、というところです」

吉井はWindow4に向けて「コーチ陣が『こうしてほしい』というところをしっかりと遂行し切る。その中で僕自身が出せる色を少しずつ出していくだけです」と意気込む。勝利のために何ができるかのみを愚直に追い求める吉井の存在は、国と国のプライドを懸けて闘う舞台においてより頼もしくなる。