久しぶりの2桁得点も「あと8点は取れた」
バスケットボール日本代表はドイツとの国際強化試合を86-83で勝利した。
八村塁が31得点、渡邊雄太が20得点と期待通りのパフォーマンスを披露する中で、2試合連続で先発を外れていた比江島慎が先発に復帰。10得点を記録して勝利に貢献した。
先発起用の理由に関しては「正直、分からない」ということだったが、「(フリオ)ラマスが気を遣ってじゃないですけど、自分に自信を取り戻させるためかもしれないです」と比江島は語った。ニュージーランドとの第1戦で4得点、第2戦で9得点、そして、アルゼンチン戦で5得点と、比江島は本来の得点力を出せていなかった。それでも、今日の試合では序盤からアグレッシブにリングにアタックするなど、久しぶりに得点を2桁に乗せた。
ラマスは先発の人選について、試合後にこう説明している。「その時にどういう内容のゲームをしたいかによる。比江島はシュートチャンスを作って自分で決めに行く、チームメートのためにチャンスを作る。オフェンス面で強さを出すために今回は比江島にした」
実際、オフェンス面で比江島は期待に応え、「今までが本当に情けないというか、自分らしいプレーができていなかったので、10点取れたのは前向きにとらえられる」とホッとした様子。さらに「状態も良かったので、もっと自分でいけば良かった。正直、自分の中ではあと8点は取れた」と、完全復活を予感させる強気な発言も飛び出した。
「ドイツに勝ったこの試合で持ち味が出せました」
比江島はもともとスコアラーとして長く日本代表のオフェンスを引っ張ってきた。だが、自分で点数を取りにいかなくてもスコアできるチームとなったことで、比江島は自分の存在意義を見失っていたという。
「ディフェンスでそんなに貢献できているわけでもないし、自分がいる意味は何だろうとマイナスに考えてしまっていました」
それでも、ドイツとの接戦を制したことで、比江島は自信を取り戻した。「ドイツに勝ったこの試合で自分の持ち味が出せました。自分はこのチームにいる意味があると、自信を持って思えます」
もちろん八村や渡邊らNBA組の力は強く、彼らなくして日本代表は成り立たない。だが、彼らに頼りっぱなしのチームでは、世界では勝てない。日本がより強くなるためには、やはり比江島の力が必要だ。