ペイトン・ワトソン

ナゲッツはベテランのデマー・デローザン獲得に動く?

長らく膠着していたペイトン・ワトソンの去就が、キャバリアーズ、クリッパーズ、ウィザーズを絡めたトレードで決着した。ナゲッツはワトソンを放出する見返りにキャブズの2031年1巡目指名権、キングスの2032年2巡目指名権を得る。ウィザーズから若手のジュリアン・リースも獲得するが、彼はそのまま戦力外とした。

キャブズはマックス・ストゥルースをクリッパーズへと放出。そこで得た2027年のクリッパーズ2巡目指名権に先週獲得したばかりのトレ・マンを加えてウィザーズへと送り、キャム・ウィットモアも獲得している。

ワトソンは2022年のNBAドラフト1巡目30位指名選手。そのデビューイヤーにナゲッツは優勝しているが、1年目はGリーグが主戦場だった。身長203cm、ウイングスパン216cmという恵まれた体格と運動能力を持ちながら、ベテランを優先する前体制では出場機会確保に苦しんだものの、若手優先へと切り替わった昨シーズンは運動能力を生かしたディフェンスで評価を勝ち取り、それまでの3年で24試合しかなかった先発出場を40試合にまで増やしてブレイクを果たした。

若手を育てたいナゲッツは彼の慰留を目指すも、サラリーキャップに余裕がなく4年7000万ドル(約110億円)しか提示できず。ナゲッツはドラフト同期のクリスチャン・ブラウンとは5年1億2500万ドル(約190億円)で契約延長していただけに、ワトソンはこれを受け入れず、ナゲッツはサイン&トレードでの移籍先を探っていた。ワトソンは流出してしまったが、サイン&トレードで1巡目指名権を確保できたのは上々の結果と言えるだろう。

キャブズはレブロン・ジェームズ獲得に失敗した後、ウイングの補強を必要としており、デニス・シュルーダーをホーネッツへ放出して確保したキャップスペースを活用する形でワトソンを獲得した。ワトソンとは最終年をプレーヤーオプションとする4年8800万ドル(約120億円)で新たな契約を結ぶ。実績はあってもケガの多いストゥルースからワトソンへの切り替えは、フロントの狙い通り。先発スモールフォワードとして、ワトソンの活躍の場は大きく広がると予想される。

そして、今回のトレードはキャブズとナゲッツそれぞれに次の扉を開く。キャブズはレブロン争奪戦に加わる時点から、ジェームズ・ハーデンとの契約延長を保留してきた。これはハーデン側がチームの補強を優先させて譲歩したためで、諸々の問題が片付いたことでハーデンとの契約交渉は間もなく合意となる見込みだ。

ナゲッツはワトソン放出でロスターに空きが出たことで、フリーエージェントのデマー・デローザン獲得に動くと見られる。キングスと契約解除で合意したデローザンは優勝争いができる環境を求めている。ナゲッツもワトソンを手放した以上、『若手を育てながら勝つ』の方針を一度棚上げにしてでも、デローザンのミッドレンジからの得点力を加えることに魅力を感じるはずだ。