
「ケミストリーを壊すことのないように意識しています」
男子日本代表は、『FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選』Window4に向けて直前合宿を実施。8月19日にメディアに向けて練習を公開した。
今回の日本はNBA組の八村塁と河村勇輝がチームに合流。伊藤拓摩強化委員長が『最強の布陣』と語ったように、現役世代最強のメンバーが集結した。その代表チームは8月15日と16日の2日間で韓国と強化試合を実施して、あらためてポテンシャルの高さを見せつけた。
中でも八村は、第1戦しか出場しなかったものの、開始から高い集中力を発揮して得意のミドルシュート、そして3ポイントシュートも立て続けに決めると、その後も個の力で状況を打開する圧倒的なプレーで22得点の活躍を見せた。『個の尖り』を重要視して『戦術よりも選手個々の特徴を生かすことを優先したチーム』作りを志向する桶谷大ヘッドコーチ体制にとっては、大きな武器になることは間違いない。しかし課題も見つかっている。
合流から間も無く強化試合を迎えたチームは、新たな力が加わったことで連携面に不安が残った。特に八村がコート上にいる時にオフェンスのファーストオプションとして、みなが意識するあまり、ボールを受けたプレーヤーが八村を探してしまい、積極性を失ってしまった。リングにアタックする意識が薄くなったチームはギャップを生み出せず、ただ八村に預けて個の力でこじ開ける単調なバスケットになってしまった場面も見受けられた。
「このチームで長く一緒にプレーしてきた選手たちや、コーチ陣が積み重ねてきたケミストリーがあると思います。僕が入ったことで、そのケミストリーを壊すことのないように意識しています。僕の力がプラスになるように、コーチ陣と話したり試合のフィルムを見たりして、このスタイルに僕が合うようなプレーをする必要があります。僕が入ったことでどう変わるか、ではなくて、自分や周りのプレーヤーたちがやるべきことをやれば、その後に結果が出てくると思います」
八村もそう語るように、今の代表選手の中で活動経験の浅い八村がチームに馴染んでいくことが必要だが、韓国戦で見せた課題解決に向けてすでに着手しているという。そして、彼の経験は今の現役選手の中でも間違いなくトップクラスで、その経験を還元する存在になりたいと本人は語る。「僕がチームに入ることによってチームメートや、コーチに自信を与えられる存在でありたいと思います。いろいろなところでバスケをしている経験の部分では、誰にも負けないと思っています。今こうやって日本代表に戻ってきて、周りの選手たちと一緒にやりながら、学び合っているのでそういうところでも頼られる存在になりたいです」
サウジアラビアとのWindow4の第1戦目は28日に開催される。十分な準備期間とは言えないが、『最強の布陣』のさらなる進化に期待したい。