ドワイト・ハワード

「勝つために必要なことをやるのが大事」

レイカーズ復帰が濃厚となったドワイト・ハワード。同球団に所属した2012-13シーズンにコービー・ブライアントと良好な関係を築くことができず、わずか1年で退団すると、それからロケッツ、ホークス、ホーネッツ、ウィザーズを渡り歩き、気がつけば2004年のドラフト全体1位指名選手も、キャリア16年目を迎えた。

デマーカス・カズンズが左膝前十字靭帯断裂により2019-20シーズン全休が濃厚となり、プラン変更を余儀なくされたレイカーズは、今週ハワード、ジョアキム・ノア、マリース・スペイツを招いてワークアウトを実施した。

『The Athletic』によれば、ハワードがグリズリーズから他チームとの交渉を許可された後、まずはレイカーズのアシスタントコーチに就任したジェイソン・キッドと話し合う場を設けたという。ハワードとキッドは、2008年の北京オリンピックで金メダルを獲得したアメリカ代表で一緒にプレーした間柄で、お互いにリスペクトしている。そこでレイカーズ加入についての話し合いが持たれた。

33歳になったハワードは、『NBA最強センター』と呼ばれていた時代の自分ではないこと、それでもハイレベルなNBAでまだ貢献できること、リバウンド、守備、ブロックが中心の役割を受け入れられることをキッドに伝えた。

ハワードの決意を感じ取ったキッドは、今度はレイカーズのフロントとの面談をセッティング。ハワードは8月22日のワークアウトを予定していたが、その前日にアトランタからロサンゼルスに向かい、レイカーズの練習施設で汗を流した。この行動は選手にも伝わり、ワークアウト当日にはアンソニー・デイビス、ラジョン・ロンド、ジャベール・マギーも練習場に姿を見せ、ハワードがどれだけ真剣なのかを確かめたという。

先月のインタビューでも、ハワードは意識が変わったことを告白している。「これまでだって集中してやってきた。いつだって練習場で汗を流していたつもりだった。でも、本当に真剣に集中してやってきたのかを自問した。自分がチームの中心だった頃は、そういうことに気がつくのに時間がかかってしまった。ずいぶん長く中心選手としてプレーしてきたから。でも今は、勝つために必要なことをやるのが大事ということに気づいた。昔もそういう考えを持っていたけれど、今ほどではなかったと思う」

ドラフト1位指名、オールスター選出8回、5度のリバウンド王、3度の最優秀守備選手賞という輝かしい実績を誇る彼にとって、おそらく今回のレイカーズ復帰が優勝を狙える最後のチャンスになるだろう。

レイカーズは『改心』したハワードを信じた。今度はチャンスをもらった彼が、その信頼に応える番だ。