1週間前に合流することが多かったこれまで

9月からドイツ・ベルリンで開催される『FIBA女子バスケットボールワールドカップ2026』に向けて、女子日本代表は国内合宿を8月1日から始めている。13日と14日には韓国代表と『三井不動産カップ 2026(東京大会)』で対戦。本大会に向けて1カ月間以上の準備期間があることで、馬瓜ステファニーは集中力を増すことができている。

「今までは代表チームへの合流が大会の1週間前ということが多く、これだけ長い期間をもらえたことがありませんでした。短期間でいろいろなことに気を使って、頭を整理できずに参加していたこともあって、全然チームの力になれず悔しい思いをしたこともありました。しっかりと準備をした上で試合に臨める今回の状況は自分にとってすごくデカイことで、自分の役割に集中できると思います」

2023-24シーズンから海外リーグに挑戦している馬瓜はチーム事情の兼ね合いもあり、Wリーグに所属する選手よりも代表合宿への合流タイミングが遅れることが多かった。「プロとしてしっかりとやらなくてはいけない部分ではありましが、なかなか自分がフィットしきれなかったです」と語るが、今回はその不安も払拭できているようだ。

馬瓜の強みを一言で言えば万能性だ。182cmのサイズとリーチの長さを備えながら、機動力も力強さもあり、攻守ともにポジションレスにプレーできる。日本の最大の武器はアップテンポなペースから3ポイントシュートを射抜くことだが、すべてのポゼッションでトランジションオフェンスが機能するわけではなく、ハーフコートバスケになった時に馬瓜の良さが生きる。

「自分のスタイルとして1on1が武器なのでしっかりと仕掛けて得点を奪い、ファールドローも仕事かなと思っています」と語るように、本人も求められる役割について理解している。そして、今回のチームでは「ボールを持ったらコース・トゥ・コースト(自陣のエンドライン付近からそのままボールを運びフィニッシュすること)も狙っていい言われています」と、自由度が上がったことも明かした。これも合宿に早い段階から合流できた恩恵だという。

「これまでは自分にそんな余裕がありませんでした(笑)。『ここをやったら次はこれ』ということを考えなくて良くなったので、より自由にできるかなと思います」

「良い子でいる必要はありません」

馬瓜は昨シーズン、欧州最高峰の舞台であるユーロリーグで3位に輝いたスペインのサラゴサでプレーした。欧州でプレーを続けることで得られたことも当然ある。「基準の違いはありますが、手や腰をつかまれたり腕を絡められることは日常茶飯事です。それを身体の強さで跳ね返せない部分もあるので、いなし方だったり、嫌がらないこと、自分から向かっていく勇気は学んで来れたと思います」

ずる賢さはアスリートにとって必要な要素で、彼女自身もこうしたずる賢いプレーはやり返すという。「見えないところでユニフォームを引っ張ることも全然やりますよ(笑)。それをやることで相手をキレさせてメンタルを削ることもします。そういった狡猾さも大事ですし、コート上で自分だけがやられてしまう良い子でいる必要はありません」

しかし、そういったことを若手に伝える必要はないと続ける。「良い子でいる必要はないということが重要で、真正面から受け止めるのではなく『今はこのスペースが空いているからスッと入っちゃいなよ』と言うような裏をかく判断というのは伝えていきたいですね」

欧州での経験を還元することは日本代表にとってプラスになる。そして、グループフェーズで対戦するスペインの情報を持っていることも含め、馬瓜には今まで以上に期待がかかる。「スペインでプレーしていることで学ぶべきところも多いですが、彼女たちだけには負けたくないですね(笑)。みんなに情報を渡して、何としても勝ちたいです」