「『隆一さんお願いします』『外国籍お願いします』ではダメ」
京都ハンナリーズは、8月4日に新体制発表会見を実施。この会見の中で前田悟が昨シーズンに続いてキャプテンを務めることが発表された。
29歳の前田は昨シーズン、京都での在籍3年間でベストとなる平均8.8得点を挙げ主力シューターとして奮闘。さらにオフには新たな2年契約が発表され、名実ともに京都の中心選手となっている。
昨シーズンの京都は開幕節にいきなり大黒柱アンジェロ・カロイアロが長期離脱するなど、シーズンを通して故障者に苦しめられた。メンバーがしっかり揃った時には上位陣にも対抗できていたが。その期間は少なかったことで20勝40敗と下位に低迷した。
前田にとっても「これまで、自分がしっかり試合に出続けている中で、ここまで負けることは経験していなかったです」と苦しい経験となった。ただ、その中でも「苦しい時にどういうマインドセットでプレーしたらいいのかを学びました。チーム内もずっとネガティブな雰囲気ではなかったですし、今シーズンに繋がるものも確実にあったと感じています」とプラスにすべき経験はあったと振り返る。
前田個人でいうと特に昨シーズン終盤には、接戦でのここ一番の場面でビッグショットを決めるなど勝負強さを披露する場面も増えた。「これまでは岡田(侑大)選手だったり、アンジェロが大事なところでシュートを打つ役割でした。ただ、前から自分にボールが回ってきたら決める自信はありました」。このように前田は、自分の強みを発揮できたことへの手応えを語る。
今シーズンからオン・ザ・コートフリーへとレギュレーションが変わることで外国籍選手のプレータイムは増え、さらにリーグ屈指のクラッチシューターである岸本隆一も加わった。それでも前田は、引き続きここ一番でのビッグショットを託される存在であり続けたいと言い切り、それがチームのためになると続ける。
「自分がゲームを決めるシュートを打つための準備はしていますし、その力を持っていると思います。『隆一さんお願いします』『外国籍お願いします』ではやっぱりダメで、こういう気持ちの選手がたくさん出てくることが大事だと思います」

「チームが悪いムードになったらキャプテンである僕の責任」
そして自身がウイングとしてオン・ザ・コートフリーの中でも出番をつかみとるために必要な要素を次のように語る。「一番はシュート力です。個人能力の高い外国籍選手が増えてくる中で、しっかり3ポイントシュートを決めることが大事です。そして、外国籍を守れるディフェンス力も生き残るために必要となります」
冒頭でも紹介したが、前田は今の京都のロスターの中でも古株となり、チームで重要なポジションを確立した。そして、この期待に応えようと強い自覚を持っている。
「気持ちはまだ若手なんですけど(笑)、キャプテンの役割を与えられて今までと違った視点でチームも見るようになりました。チームが悪いムードになったら、キャプテンである僕の責任でもあります。もう京都で4年目。このチームを背負っていく思いを持たないといけないです」
前田は京都加入前、川崎ブレイブサンダースで天皇杯のタイトルを獲得し、チャンピオンシップのセミファイナルも経験している。ただ、川崎では起用法が安定せず、主力としての地位を得ることはできなかった。そこから京都に加わり、安定したプレータイムも得てキャプテンを任せられるまでになった。
「川崎で天皇杯を優勝しましたが、セカンドユニットで試合に出たり出なかったり。そこからより多くの出番を求めて京都に移籍したところもあります。そして責任を与えてもらっているからこそ、1勝のうれしさも違ってきます」
このように語る前田は、改めて京都への強い思いを続ける。「1年目の時より、京都という組織であり街への愛着は増しています。本当にこのチームで勝ちたいし、負けたまま舐められたまま終わりたくない。負けず嫌いな思いは強いです。この数年、京都はBリーグでも弱いと見られていると思うので、この見方を払拭したいです」
今は岸本やフィリピン出身の若手ビッグマン、マイケル・フィリップスといった新戦力に注目が集まる京都。だが、京都がチャンピオンシップ戦線に絡んでいくためには選手たちが故障なくヘルシーに過ごすとともに、前田が昨シーズンに示した勝負強さを見せ続けることが必要だ。
