本大会で求められる攻守での貢献

『第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)』のメンバーに選出された、21歳の川島悠翔は日本代表で次世代エースとしての活躍の期待されている。

福岡大学附属大濠在籍時に出場した『U16アジア選手権2022』では、平均26.6得点を記録して大会得点王に輝いた。その後、NBAグローバルアカデミーに進み、NCAAディビジョン1のシアトル大に進学。順風満帆にキャリアを積み重ねてきたが、大学ではケガに加え、韓国代表のライバルの存在もあって思うようなプレータイムを獲得することができずにいた。

200cmの長身に加えて、ボールハンドリングと3ポイントシュートにも長けたパワーフォワードは、U23の各国代表やアメリカの大学が参加した『GLOBL JAM 2025 Canada Toronto』で、4試合中3試合で17得点をマークした。ポテンシャルの高さは折り紙付きの川島は、日本代表のディベロップメントキャンプに参加。そこでもアピールに成功すると、『FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選』Window3の直前合宿に追加招集された。

大学では本領を発揮できていないが、各カテゴリーの代表戦では結果を残す川島は自身をこう分析する。「自分はメンタルがあまり安定していません。どこでプレーしても変わらずにやっていける強い意志が、エースになるためには必要だと思うので、そこをしっかり強く持ってやっていきたいと思っています」

だからこそ今回のアジア競技大会ではエースとしての自覚を持って、ブレイクスルーする機会にしなくてはいけない。日本代表にはコンスタントに呼ばれるようになったが、A代表の試合で結果を出しているわけではない。そのため、アメリカの大学でプレーし、A代表でも試合に出場する同世代のジェイコブス晶から刺激を得ていると言う。「アキラも同世代で、A代表として試合に出て活躍しているので、ここでもたついている場合ではないなという気持ちもあります。このままだと自分はA代表でプレーできないので、今回のアジア競技大会でもっと成長して帰ってこれるようにやりたいですね」

「リバウンド力に関しては、桶谷さん(大ヘッドコーチ)や、ダイスさん(吉本泰輔アシスタントコーチ)にも評価されているので、そこはしっかり出していきたいです。身体もこの数年で強くなりながらも動けるので、ディフェンスでも幅広い範囲でこなせるかなと思っています」

そして、川島は遠慮することなく自分のプレーを出していくことを今回のテーマに掲げている。「もっと得点力を発揮して、もっとエゴを出してやっていきたいと思います。アンダーの時からドライブに強みがありましたし、自分は相手によってプレーを変えられることが強みだと思っています。相手が自分よりサイズが小さければリム周りでプレーすることもできます」

この自信は、コーチ陣から信頼を得ている実感があることに起因する。「自分がボールを持って攻めるという戦術もいただいています。得点力が自分の強みでもありますし、A代表に上がるためにもアピールしていきたいと思っています」

川島は奇しくもこの取材の後に、八村塁、河村勇輝が代表復帰したワールドカップアジア予選Window4の直前合宿メンバーにも選ばれた。A代表に上がる目標は少なからず達成できたが同じポジションには八村を筆頭に吉井裕鷹、ジェイコブスといった超えなくてはいけない壁が存在する。アジア競技大会より先に行われるWindow4ですぐに活躍することは難しいと思われるが、伊藤拓摩強化委員長が『最強の布陣』と話すこのメンバーからポジションを奪うためには、今回のアジア競技大会で確かな結果を残す必要がある。A代表の次世代エースへの道がこれから幕をあける。