
2025年の『洗礼』から1年、リベンジの舞台はラスベガス
WNBAのラスベガス・エーシズは、山本麻衣との契約を発表した。エーシズは2022年、2023年、2025年と直近の4シーズンで3度の優勝を果たしているディフェンディングチャンピオンで、今シーズンも17勝7敗と好調な戦いぶりを見せている。
そのエーシズは、レギュラーシーズン44試合の折り返し地点を迎えたタイミングでバックコートの再編に追われている。チェルシー・グレイとジャッキー・ヤング、ジュエル・ロイドと強力なガードを揃えるも、シーズン途中にチェネディ・カーターを解雇したことで、バックアップの層を強化する必要があった。
ベンチから得点を挙げるシックスマンとして活躍していたカーターの解雇について、公式な説明はないが、たびたびの欠場に加えてヘッドコーチのベッキー・ハモンを批判するような発言をするなど、過去に所属した3チームで起こしてきたトラブルメーカーぶりが目立つようになっていた。
才能あるカーターの解雇は、ここからプレーオフを見据えてチームの完成度を高める上で、結束力を高めるための大胆な決断だ。エーシズはその穴を埋めるために若手を加入させており、山本もその一人としてチームに加わることになった。
ここにはケガ人続出というチーム事情もありそうだ。ジャナイア・バーカーは膝のケガで離脱しており、ダナ・エバンスも長期欠場明け。カーターの解雇とともに加入したジャスティン・ピソットもケガをしている。今はカーターの解雇によりガードの序列を新たに決め直すタイミング。山本はシーズン途中の加入でもローテーション入りのチャンスがある。
いずれにしても、WNBAでのプレーを切望してきた山本にとっては大きなチャンスだ。昨年はWNBAでのプレーを目指してダラス・ウイングスのキャンプに参加するも、プレシーズンだけの出場に留まり、ロスター入りは果たせなかった。今年はトヨタ自動車アンテロープスを退団し、退路を断ってWNBA入りに懸けていた。
2021年の東京オリンピックでは3×3日本代表としての出場で、銀メダル獲得には絡んでいないが、この時点で163cmと小柄でも世界を相手に通用する1対1の能力を証明している。その後は5人制の日本代表に定着し、十分な実績を残してきた。
昨年の取材で山本は、WNBAへのこだわりについてこう語っている。「この挑戦を続けて、ここでできることを証明していきたい。今まで日本の女子の選手では誰もやったことがない、新しい道を自分が切り開きたいという思いもあります。それと同時に、一度きりの人生だから一番は自分のために、バスケ選手としてどうなりたいのかを考えて行動したいという気持ちです」
すでに準備は万端なはず。WNBA屈指の強豪で、山本がチャンスをつかみ取り、彼女らしいプレーで活躍することに期待したい。