ザイオン・ウィリアムソン

『儲けもの』選手は221cmのボル・ボルに

毎年恒例になっている新人選手によるアンケート結果が公表された。

毎年、トレーニングキャンプ前のこの時期、NBAは新人選手を対象にアンケート調査を実施。ルーキーが選ぶ新人王候補、今年の新人で最高のキャリアを送りそうな選手、ベストシューターなどの項目が並ぶのだが、必ずしもドラフト上位指名を受けた選手が各項目のトップに選ばれるわけではない。

とはいえ、2019-20シーズンの新人王候補トップ3には、ペリカンズから全体1位で指名されたザイオン・ウィリアムソン、グリズリーズから全体2位で指名されたジャ・モラント、ニックスから全体3位で指名されたRJ・バレットが並んだ。ウィザーズから全体9位で指名された八村塁も新人王候補の一人に選出されるなど、同じルーキーの中でも評価が高いことが分かる。

新人の中でベストキャリアを送りそうな選手の1位には、ホークスから全体10位で指名されたキャメロン・レディッシュが選ばれた。興味深いのは、この項目の1位に6年続けてデューク大出身の選手が選ばれたこと。2014年にはジャバリ・パーカー、15年にはジャリル・オカフォー、16年にはブランドン・イングラム、17年にはジェイソン・テイタム(同率でUCLA出身のロンゾ・ボール)、18年にはウェンデル・カーターJr.、そして今年のレディッシュという流れだ。ちなみにゴンザガ大の八村は、この項目でも他のルーキーから票を得た。

毎年のアンケートで最も興味深い結果になるのは、『儲けもの』選手という項目。これは、上位指名こそ受けられなかったが、確かな実力者として知られた選手を表す言葉で、今年の1位票を獲得したのは、ナゲッツから全体44位で指名されたボル・ボルだ。

元NBA選手のマヌート・ボルの血を引くボルは、221cm100kgという恵まれた体躯を誇り、1巡目の上位指名が確実視されていた。しかし、左足の疲労骨折によりオレゴン大に所属した昨シーズンわずか9試合の出場に終わったことを不安視され、2巡目の中位まで指名されなかった。

グリーンルームに招待されたにもかかわらず1巡目で指名されず、悔しい思いをしたボルは、指名後のインタビューで「全員が間違っていたと証明したい。できる限り最高の選手になりたい」と、苦い顔のまま答えた。

だが、アメリカの大学を経てドラフトにエントリーした選手が大半を占めるルーキーから堂々の1位に選ばれたのだから、その実力を周りも認めているということ。近年では2017年のドラフト全体13位でナゲッツから指名され、直後に交渉権がトレードされたジャズでスター選手となったドノバン・ミッチェルが最多票を獲得するなど、新人アンケートの結果は無視できない。

ザイオン、八村らを含むルーキーの中で誰が最初に頭角を現すか、9月下旬から始まるトレーニングキャンプから、競争がスタートする。