「カルチャーを構築するために必要なディフェンダー」

マーベリックスが1巡目9位で指名したモレズ・ジョンソンJr.は、イリノイ大からミシガン大へ転校し、ダスティ・メイの下でNCAAトーナメント優勝を勝ち取ったフォワードだ。40試合出場で13.1得点、7.3リバウンド、フィールドゴール成功率62.3%を記録。チームのために汗を流すことを厭わない選手だ。

それでも、指名時点では懐疑的な声もあった。今年のドラフトは『豊作の年』で、マブスの補強ポイントはガードだったし、ジョンソンJr.はハードワークはできてもロールプレーヤーで、クーパー・フラッグと並ぶ再建チームの核になる選手を取るべきとの見方があった。身長206cmはビッグマンとしては物足りず、とはいえ『ストレッチ4』を任せるには3ポイントシュートの精度を欠く。そしてマブスのフロントコートはPJ・ワシントン、デレック・ライブリー二世、ダニエル・ギャフォードと層が厚く、ジョンソンJr.は即戦力としては物足りないと見られた。

しかし、ミシガン大からマブスの指揮官へと転身したダスティ・メイは、「チームカルチャーを構築するために必要なディフェンダー」とジョンソンJr.を推し、これをフロントが受け入れたことで、ミシガン大のチームメートだったヤクセル・レンデボーグ(11位でウォリアーズが指名)やアダイ・マラ(12位でサンダーが指名)より先に指名された。

自らを「誰よりも早く練習場に来て、最後に帰る。毎日コツコツ努力できる選手」と表現するジョンソンJr.は、「タフに戦ってリバウンドに飛び込み、スイッチして1番から5番まで守れる。チームが勝つためなら文字通り何でもする。ミシガン大でダスティから学んだのは無駄を削ることで、効率良くプレーできるようになったのが強みだ」と自分のプレースタイルを説明する。

こうして迎えたサマーリーグ、ジョンソンJr.は「僕らしい激しさをコートで表現したい」と事前に話していた通りのパフォーマンスを見せる。初戦でウォリアーズを相手にフィールドゴール17本中12本成功の27得点、さらに8リバウンド3アシスト3スティール2ブロックと攻守に大活躍。続くレイカーズ戦でも10得点5リバウンド2スティール4ブロックを記録した。

ハードワークはもちろん、ゴール下だけでなくミッドレンジのシュートも堅実に決め、ピック&ロールでのハンドリングも相手のプレッシャーに晒されても慌てなかった。「ルールの違い、ゲームスピードの違いに戸惑った。身体も頭も休んでいる暇がない」と本人は言うが、NBAへの順応は上々だ。

彼自身、ハンドリングが下手だという世間の見方を覆す意欲は大きい。「大学では自分でボールを運んだり仕掛けたりする必要がなかっただけ。オンボールでもプレーできるし、シュートレンジもこれから広げていく」と彼は言う。

ルーキーではあるが、指揮官メイのバスケやカルチャーの理解度では先輩たちを上回る。「確かに、彼のスタイルに馴染んでいて、考え方も分かっているアドバンテージはあるだろうね。でも、彼は間違いなく僕に責任を持たせ、高い基準を要求する。毎日厳しく指導されると思うよ」

マブスでの彼はパワーフォワードとしてPJ・ワシントンと併用される見込みで、クーパー・フラッグとのウイングコンビがチームの新たな目玉になる。ルカ・ドンチッチ放出を過去のものとし、新たなチームで前に進むために、ジョンソンJr.の泥臭いエネルギーが大きな力になるはずだ。