カーター・ブライアント

「自分に何ができるかの片鱗は見せられたと思う」

ラスベガスでのサマーリーグ3日目となった現地7月11日、NBAファイナルと同じカードとなるニックスvsスパーズが行われた。試合は全くの別物で、当然ながらビクター・ウェンバニャマもジェイレン・ブランソンもいないが、スパーズのカーター・ブライアントは、NBA2年目のシーズンを前にサマーリーグに参加している。

ルーキーイヤーの昨シーズン、ブライアントは序盤戦こそ持ち味を発揮できずにGリーグに送られる経験もしたが、ライジングスターズの一員として活躍し、さらにダンクコンテストで注目を集めた2月のNBAオールスター前後に、ベンチから出てディフェンスでエナジーを出し、3ポイントシュートを高確率で決める役割を確立。最終的にプレーオフで22試合に出場、8.5分とプレータイムは短くても3ポイントシュート成功率41.4%と『3&D』の役割を全うし、NBAファイナルの舞台にも立った。

「プレータイムは少なかったけど、コートに立っている間は高いレベルのプレーを見せられた。今オフの目標は、プレータイムが伸びてもコンスタントに結果を出すための身体作りだ。相手がどんなサイズ、強さ、ポジションであろうとディフェンスで止めるには、やっぱり身体作りが一番大事だから」と彼は言う。

サマーリーグに出場したのは、そのコンディション作りの途中経過をチェックするのと、自分がオフェンスを引っ張る立場になった時にどんなプレーができるかを試すためだ。ミニキャンプから若手を引っ張るリーダーシップを発揮し、その成果を試合で見せた。

初戦はホークスを相手に慣れないガードでプレーしたこともあり、25分で12得点と苦戦したが、2試合目のニックス戦ではきっちり修正し、23分の出場でフィールドゴール10本中7本成功の19得点を記録している。

サマーリーグでスパーズを率いているコーリス・ウィリアムズは、ブライアントについて「リーダーシップを発揮して、打つべき時に自分で打っていた。そして何より、我々がディフェンスのチームであることを忘れず、ディフェンスで相手を止めるところからチームに勢いを与えた」と、そのパフォーマンスを称える。

ブライアントはニックス戦を終えてこう語る。「前回より落ち着いてプレーできたし、ミスはあったけど引きずらずに切り替えられた。NBAファイナルの第5戦で負けて以来の試合で、試合感覚を取り戻す必要があったから、いつもよりドライブを増やしてコンタクトのある状態でプレーしてリズムをつかもうとした。練習だけでは限界があるから、こうやって実際に試合をすることで学べることは多いよ」

「どんなレベルであれ、プレーヤーならば優勝を懸けて戦うことを夢見るものだ。僕はルーキーイヤーに一番大きな舞台を経験したけど、すべての機会を学びに繋げたい」

ブライアントはもともと2試合のみ出場の予定で、現地7月12日に行われたバックス戦には出場しなかった。これからはチームを応援しつつ、新シーズンに向けた身体強化とスキルアップに専念することになる。

「将来、自分に何ができるかの片鱗は見せられたと思う。でも、世界最高レベルの選手になりたいなら、まだまだやるべきことは山ほどある。それは理解しているよ」

スパーズの成長は新シーズンもまだまだ続くだろうし、ブライアントも大きな伸びしろを残している。とはいえ、もともと厳しいチーム内競争はさらに激化し、彼がプレータイムを伸ばすには相当の努力が求められる。そんな状況を理解しているからこそ、NBAファイナルまで戦い抜いた後もすぐに練習場に戻り、サマーリーグ参加を選んだ。そのマインドセットが、新シーズンに新たな飛躍をもたらすはずだ。