ウルブズはアヨ・ドスンムと5年1億1200万ドルで再契約
ティンバーウルブズ、ネッツ、ブルズの3チームの間でトレードが成立した。ウルブズはジュリアス・ランドルと今年のNBAドラフトの28位指名権をネッツへ放出し、ネッツからは33位指名権を受け取る。ネッツはニック・クラクストンをブルズへ送る。ブルズからウルブズにはモハメド・ゲイが譲渡されるが、彼の契約は非保証のために解雇される見込みだ。
ウルブズは2024年オフにカール・アンソニー・タウンズを放出するトレードでランドルを獲得し、昨年に3年1億ドル(約150億円)の契約延長を結んでいる。だが今回、ウルブズは残り2年6900万ドル(約100億円)の契約をサラリーキャップから外すべくトレードに動いた。ランドルはチームのために献身的に働く選手だが、31歳で技術的な上積みは望めない。今シーズンは79試合出場とフル回転して21.1得点、6.7リバウンド、5.0アシストの活躍を見せたが、プレーオフでは特にオフェンス面で限界を露呈し、評価を下げていた。
ウルブズはランドルを放出すると同時に、アヨ・ドスンムに5年1億1200万ドル(約170億円)の大型契約を与えている。トレードデッドラインにブルズから加入したドスンムは、ブルズ時代は役割もプレータイムも安定せずに伸び悩んでいたが、ウルブズでその才能を開花させた。前から激しく当たるディフェンスと思い切りの良いリムアタックで、エースのアンソニー・エドワーズの負担を軽減できるのが魅力で、ナゲッツ相手に43得点を記録するなどプレーオフでの目覚ましい活躍が評価に繋がったのも間違いない。
ドスンムはブルズ時代に結んだ3年2100万ドル(約32億円)の契約が満了を迎えるタイミングだったが、一早くウルブズ残留を決めた。ランドルの契約を嫌ったウルブズがドスンムに大型契約を与えるのは矛盾しているようだが、ポイントガードを大ベテランのマイク・コンリーからドスンムへと移行させており、エドワーズと年齢の近いドスンムとのコンビを今後のチームの軸としていく考えだろう。
いまだウルブズはサラリーキャップに余裕があり、オフシーズンの動きはまだまだ続きそうだ。これまではレイカーズ、ウォリアーズ、ナゲッツと自分たちより『老けている』チームを追いかけていたが、直近の2年で西カンファレンスを制したのは自分たちより若いサンダーとスパーズで、世代交代は急務だった。エースのエドワーズに『勝てる戦力』を与えるため、思い切ってチームに変化をもたらしてきた。
ネッツはカイリー・アービングとケビン・デュラント、ジェームズ・ハーデンの『ビッグ3』の頓挫から低迷が続いている。多くの若手を擁するもののオールスターに成長するような逸材はおらず、再建にはまだまだ時間がかかりそうだ。2033年まで15もの1巡目指名権を保有しており、ランドルのサラリーを引き受ける余裕は十分にある。若いロスターにプロとしての姿勢を示しつつ、マイケル・ポーターJr.とのコンビでボトム3を回避する程度には勝利をもたらし、残り契約期間が短くなればトレード資産として活用できる。ネッツにとってランドルは、様々な意味で価値がある。
ブルズはフロントからコーチングスタッフまで総入れ替えとなったばかり。勝てないのにベテランばかり集める場当たり的な方針を変え、若手を育てての再建をスタートさせる。そのためにチアゴ・スプリッターを新たなヘッドコーチに据えたし、ここからは彼がそのポテンシャルを引き出せるようなタレントを集めることになる。
クラクストンの27歳という年齢は、そのタイムラインにギリギリ合う。そして何より、シーズン途中にニコラ・ブーチェビッチを放出し、ザック・コリンズとニック・リチャーズは契約満了とあって、ブルズにはスタメンを張れるセンターが必要だった。
非保証の若手(ゲイ)とのトレードで先発センターを獲得できたのは、ブルズの新たなフロントにとってはスプリッター招聘に続く秀逸な動きと言える。ドラフト前日にこの補強を成立させたことで、4位と15位でセンターではなくガードやフォワードを指名しやすくなったというプラスもある。ブルズにとってはどう転んでも損することのない、手堅い一手となった。
