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ウォリアーズに対抗するにはこれだけのインパクトが必要!?

ジミー・バトラーのトレード成立後、まず話題になったのは、ブルズが見返りとして誰を獲得したかについて。そして次に注目されたのは、ブルズとの契約2年目がプレーヤーオプションになっているドウェイン・ウェイドの去就についてだった。

ウェイドが希望すれば来シーズンには約2400万ドル(約27億円)もの高額年俸が保証されている。収入だけを考えれば当然の選択になるが、それがウェイドの望みかどうかは微妙だ。交換条件が見合わないことを承知でバトラー放出に踏み切ったブルズは、今後数年間を再建期にあてる見込み。そうなると結果が欲しいウェイドは、2年目の契約を破棄して優勝を目指すチームに移ることを考えるはずだ。ブルズとしても、ウェイドを慰留しないだろう。

『ESPN』のマーク・スタイン記者は、ウェイドがブルズとの契約バイアウトに合意し、退団する可能性があると伝えた。またスタインによれば、同様にカーメロ・アンソニーも来シーズン中にニックスとの契約をバイアウトし、退団する可能性があるという。

既報の通り、ニックスの球団社長フィル・ジャクソンは、アンソニーのトレード先を探している。自身が推奨する『トライアングル・オフェンス』路線を若手とともに推し進めるため、アンソニーを不要と考えているのだ。しかし、最大の障壁はアンソニーの契約に含まれる『トレード拒否条項』で、アンソニー自身が退団を受け入れない限り、トレードは成立しない。

スタイン記者が言うように、ウェイドとアンソニーが所属チームとのバイアウトに合意した場合、2人の受け入れ先となる選択肢の一つがキャバリアーズだ。2017年のファイナルでウォリアーズに歯が立たなかったキャブズにとっても、ロスターのアップグレードが必要なのは明らか。

レブロン・ジェームズと同じ2003年ドラフト組のウェイドとアンソニーの加入が実現すれば、2010年にヒートで結成されたレブロン、ウェイド、クリス・ボッシュによる『スリー・キングス』を上回るトリオが誕生することになる。逆に言うと、あのウォリアーズを上回るには、それぐらいのインパクトが必要だ。

ファイナル終了直後、キャブズのある選手はこう吐き捨てたと言われる。「ウォリアーズはデュラントを獲得したのに、ウチはカイル・コーバーとデロン・ウィリアムズだ。それがすべてだよ」。公式なコメントとして発する言葉ではないにせよ、これが本音なのだろう。

もはや何でも起こり得るNBAビジネスでは、決して実現不可能な案ではない。