デイミアン・リラード

球団の顔という自覚「自分は、この街の代表」

トレイルブレイザーズ一筋のキャリアを送るデイミアン・リラードは、このオフに球団と延長契約を結んだ。その内訳は、4年1億9600万ドル(約213億円)という超大型契約だ。

リラードがNBAキャリアをスタートさせた2012年は、『ビッグ3』全盛の時代で、その後『スーパーチーム』という新たなトレンドも生まれた。多くのスター選手たちが優勝のために移籍を繰り返す中、リラードには、自分にチャンスを与えてくれたブレイザーズを離れる考えはない。

球団もエースの周りを固めるチーム作りを続けた結果、強豪ひしめく西カンファレンスにおいて、ブレイザーズはここ数年常に上位でプレーオフに進出。昨シーズンは19年ぶりにカンファレンス・ファイナルに勝ち進んだ。

リラードの目標は明確だ。それは、ブレイザーズ史上最高の選手になること。

プロのラッパーとしての顔も持つリラードは、この夏に最新アルバムをリリース。その関係で受けた『Billboard.com』とのインタビューでも、「ブレイザーズ史上最高の選手になることは、自分の中でバスケットボールより大きなものだと思っている」と語った。

「トレイルブレイザーズ史上最高の選手になりたい。そのためにも、成績を残さないといけない。通算得点では歴代2位(1万2909得点。1位はクライド・ドレクスラーの1万8040得点)だし、通算アシストもトップ3だったと思う(リラードは3位の3479)。3ポイントシュート成功数(1506)でも1位だし、スタッツだけを見れば、僕は上位にいる」

「とにかく、これからも勝ち続けないといけないね。自分がプレーした7年で、年間50勝を3シーズンで成し遂げた。1勝足りなかったけれど、49勝のシーズンもあった。オールNBAチームに4回選ばれて、オールNBAファーストチームにも選出された。オールスターにも4回選ばれた。昨シーズンは西カンファレンス・ファイナルでプレーした。1試合での得点でも球団記録(2017年4月のジャズ戦で記録した59得点)を持っている。あと必要なのは、MVPと優勝」

リラードは、コート上で結果を残している以外にも、コミュニティに対する活動も熱心に行なっている。

「街にも貢献していると思う。特に、ポートランドのヒップホップシーンには深く関わっているんだ。どのコミュニティにも関わっている。お金を支払っているという感覚ではなくて、自分の時間を使っているという感覚なんだ。トレイルブレイザーズ史上最高の選手という話になったら、こういう活動も考慮されるべき。だから自分がどのエリアでもトップだと思っている」

「ポートランドを代表している」と自負するリラードは、改めてブレイザーズ一筋のキャリアを送ることを希望している。

「自分は、この街の代表。球団でプレーした選手の中で、ベストプレーヤーと評価されている選手は、このチームでプレーすることを希望せず、みんな出て行った。僕は、このチームに加わった時から、ここでプレーしたいと思った。生活にも満足しているし、もうその位置(球団史上最高の選手)にいると思っている。これからも自分の仕事を続けて、良い形で終わらないといけないね」

球団史上最高の選手という評価を確実なものにするためにも、2019-20シーズンに向けたリラードのモチベーションは高い。あとは本人も言うように、キャリア全盛期の間にシーズンMVPと優勝を達成したい。