衛藤晃平

当事者の他、チームと2名も制裁の対象に

Bリーグが規約違反による制裁決定を発表し、香川ファイブアローズの衛藤晃平ヘッドコーチが1年間の公式試合に関わる全職務の停止となった。

主に暴力行為と暴言が問題となり、以下の3点が違反行為にあたる。「2017年12月に開催された試合終了後のロッカールームで、選手に対し飛び蹴り、また胸倉を掴み暴言を吐いた」、「2017-18シーズンの練習の際に、1回または2回にわたり、選手に対し顔面を平手打ちした行為」、「2017-18シーズンの練習の際に選手のプレーに激昂し、同選手の首を掴みゴール下から体育館の壁まで押しやり、暴言を吐いた行為」。また、3点目に被害を受けた選手は精神的に追いつめられ、体調を崩すに至ったという。

また、選手がミスをした際に厳しくなじり、質問攻めにして、怒鳴り散らしたりするなどの行為もあったようで、これらがパワーハラスメントに該当した。

そして、衛藤の不適切な行為を止めることができずパワーハラスメントを招き、代表取締役社長を務める村上直実にけん責および制裁金100万円、取締役兼エグゼクティブコーチの津田洋道にけん責および制裁金50万円、香川自体に制裁金100万円が課された。

Bリーグは発覚から制裁決定までの経緯を以下のように説明した。

「1.2018年1月頃、匿名の方から香川ファイブアローズの衛藤ヘッドコーチの指導方法に問題があるのではないかとの情報を得る。2.B.LEAGUEにて、香川に対し、上記内容が事実かどうかを確認したところ、香川側で独自調査を行ったが『そういった事実はない』との回答があった。3.2019年3月中旬頃、JBA内に設置してある『インテグリティ委員会』にて対して衛藤ヘッドコーチの選手およびスタッフに対する暴力行為および暴言についての情報提供があり、同様の情報提供が2度目であったため調査を開始。4.調査を進めたところ、複数年および複数の選手、スタッフが同様の行為を受けた、または見ていたことがわかり、関係のある多数の選手、スタッフに対し、慎重にヒアリングを行い、事実認定を行ったことで本制裁決定に至った」

緊急で囲み取材に対応したBリーグチェアマンの大河正明は「何回繰り返してもゼロにならないのかなと思うぐらい残念な事件です」とコメント。

また、今日は偶然にもヘッドコーチミーティングがあったようで、「日本代表のグッドニュースが続いていることに大きな水を差すことになっている。そこを対岸の火事と考えないで自分たちのチームでもしっかりと受け止めてほしい」と、伝えたという。

日本バスケ界が大きく盛り上がっている中で明らかになった今回の事件は非常に残念なこと。これをただの事件とせず教訓にして、再発防止に努めてほしい。