
「序盤の出来は人生で最悪」も勝利に足るプレーを披露
サンダーvsスパーズの第5戦、第1クォーターはシェイ・ギルジャス・アレクサンダーがフィールドゴール5本中1本成功のみ、2アシストに対して3ターンオーバーとリズムに乗れず、ケイソン・ウォレスに代わって先発に抜擢されたジャレッド・マケインも無得点と、サンダーのバックコート陣はオフェンスで苦しんだ。
それでもプレーオフがここまで進むと、スパーズも万全ではない。主力は揃って足が重そうで、何よりビクター・ウェンバニャマに覇気がなかった。アイザイア・ハーテンシュタインとチェット・ホルムグレンが待ち構えるゴール下での肉弾戦を避け、ペリメーターや3ポイントラインの外でのプレーが増えた。外回りのプレーもこなせるが、やはり彼の強みは高さとリーチを生かしたインサイドにある。それを自ら封印するような消極的な姿勢では、スパーズは勢いに乗れない。
どちらも様子を探りつつの展開となったが、第2クォーター残り6分にシェイがウェンバニャマの手前から放ったアーチの高いプルアップを決め、そのタイミングでウェンバニャマがベンチに下がる。ここからシェイがディフェンスを引き付け、ホルムグレンがルーク・コーネットとの1対1に持ち込むことでサンダーのオフェンスに勢いが出始めた。
サンダーの11点リードで迎えた第3クォーター、シェイが引き続き相手の注意を引き付けると、スパーズのディフェンスは前半でわずか2得点と不発だったマケインのマークを外したのだが、そこにシェイがタイミング良くパスを供給することでマケインが波に乗った。後半開始から7-0のラン。スパーズはタイムアウトを取るも、直後のプレーでいきなりターンオーバーを犯し、シェイのプルアップでサンダーのリードは20得点に広がった。
オフェンスでは噛み合わない部分の多かったサンダーだが、ディフェンスの強度と精度は安定しており、20点差を巻き返すのは至難の業だった。ウェンバニャマは後半になっても本来あるべきプレー強度を出せず、スパーズは不完全燃焼のまま114-127で敗れた。
シェイはいずれもゲームハイの32得点9アシストを記録するも、前半は19得点のうち10がフリースローによるもので、なかなかシュートが決まらず、3アシストに対して5ターンオーバーと苦しんだ。彼自身、「今日の序盤の出来は人生で最悪だった」と振り返る。
「今日は仲間たちの存在を心強く感じたよ。チェットの序盤の頑張りも、ベンチメンバーの貢献も素晴らしかった。僕たちはチームであり、誰を欠いてもここまで来ることはできなかったし、個人の成功もチームの成功もなかった。僕だけだったら第1クォーターで20点差を付けられていたような試合だったけど、仲間が支えてくれた」
🎥 https://t.co/9neCiKM90Q pic.twitter.com/26vc0siy3s
— OKC THUNDER (@okcthunder) May 27, 2026
シェイはチームの戦いぶりに手応えを得ると同時に、自分のパフォーマンスには反省しきりだったが、ヘッドコーチのマーク・ダグノートは、それだけ低調な出だしから試合中に自分で立て直したシェイの『軌道修正する能力』を称えた。
「序盤に思うようなプレーができなくても、彼は『今』だけに集中できる。チーム全体の積極的なプレーが彼の助けになったのは事実だが、彼自身の自信は揺らいでいなかった。ミスがあっても攻める姿勢を失わず、リズムを崩さずに乗り越えた。そのアプローチは素晴らしいものだった」
一方で先発抜擢に応えたマケインについて、ダグノートは「先発に抜擢された選手が大一番で力を発揮するのはすごいことだが、彼の今日のプレーに驚きはない」と大げさな反応はしなかった。「先発は最初の交代までプレーするだけで、私はあまりこだわっていない。それでも彼はよく集中していたし、第3クォーターの連続得点は精神的な強さがあってこそだ」
マケインはシーズン途中に加入した選手で、サンズとのファーストラウンドでは合計20分しか出場しておらず、実質ローテ外だった。その彼がベンチからの得点源として活躍し、今回はプレーオフでのキャリア初先発で結果を出した。
「ジャレッドはこのチームに敬意を持って溶け込もうとしたから受け入れられた。常に努力を惜しまず、成長を一番に考え、チームの規律を守りつつ競争心を出す。役割が安定しなくても、常にチームに貢献しようとした」とダグノートは言う。「それは素晴らしい資質だが、このチームでは彼に限らず多くの選手がその資質を持っている」
これで3勝2敗とNBAファイナル進出に王手を掛けた。再び敵地へと向かうが、サンダーの選手たちは自信とともに緊張感も忘れていない。第6戦に向けてシェイはこう語った。「今日も改善すべき点があったから、映像を見てしっかり修正する。スパーズは今日の負けから学んで調整してくるだろうから、それを想定した上で、しっかりとしたマインドセットを作るつもりだ」