「10カ月後にまたこの場所で優勝会見をやりたい」
秋田ノーザンハピネッツは昨日、ジョゼップ・クラロス(愛称ペップ)新ヘッドコーチの就任会見を行った。バルセロナ出身のペップは48歳。メキシコ代表のヘッドコーチを筆頭に国際経験豊富で、スペインだけでなくアメリカ(NCAA、CBA)やポルトガル、オランダ、カナダなどで指揮を執っている。カナダでは当時所属していた安藤誓哉をコーチした経験もある。また旧bjリーグでも2015-16シーズン途中からライジング福岡のヘッドコーチを務めた。
同席した水野勇気社長は「B2から再チャレンジする中で重視したのは、若い選手が多いチームに経験豊富なコーチを招くこと」と人事の理由を説明。様々な実績を評価し、福岡で指導を受けた選手や安藤にもヒアリングした上でオファーを出したと言う。
ペップは秋田県庁の会見場に集まったメディアに対し、大きな野心を語った。「ファンもチームもクラブも同じ方向に向けば絶対に優勝できる。10カ月後にまたこの場所で優勝会見をやりたい。最大の目標はB2で優勝することで、将来的には日本一のチームになること。そのための準備をしたい」
選手に対して求めることは「一つのことに長けているのではなく、複数の仕事ができること。守備ではチームディフェンスを常に行うこと」と語る。
「私のバスケットは厳しく激しい」とペップは言う。「自分がベンチで座っているだけでは選手の100%のパフォーマンスは引き出せない。座らないようにして自分の意志を100%伝えたい」
『勝つためのハードワーク』で若いチームを鍛え上げる
福岡ではシーズン終盤のわずかな期間で指揮を執っただけで、大逆転でのプレーオフ進出は果たしたものの1回戦敗退。それでもチーム内外での評価は非常に高かった。「勝つためにハードワークをする」のがスタイルであり、それは秋田でも変わらないだろう。
秋田では、キャプテンの田口成浩を皮切りに、白濱僚祐やレオ・ライオンズといった主力、そして特別指定選手でありながら重要な戦力となった中山拓哉がすでに新シーズンの契約を交わして残留を決めている。日本代表候補でもある安藤誓哉と谷口大智の去就が注目されるが、チームは全力で慰留する方針。また外国籍2枠にどれだけの実力者を迎え入れられるかも注目される。
新たな指揮官ペップが、就任初日から来シーズンだけでなく、その先まで見据えた発言をしているのは好印象。若く才能がある選手たちを鍛え上げ、どこまでステップアップさせられるか。東北6県のチームが集まったB2東地区は、秋田を中心に熱い展開が期待できそうだ。