NBAは「ボクシングのヘビー級みたいなもの」
俳優、そしてロックバンド『RIZE』のドラマーとして活躍する金子ノブアキ。彼は観戦歴約25年という熱狂的NBAファンだ。WOWOWのNBA中継に欠かせない存在となりつつある金子さんに、NBAファイナル第3戦終了後、コアな目線でNBAについて語ってもらった。
──NBAファンを公言していますが、そもそもNBAを見始めたのはいつでしょうか?
1990年代初頭にマイケル・ジョーダンが初優勝したくらいの頃ですね。確か『スラムダンク』の連載が始まってました。ジョーダンの人気とともにバスケが流行りだして、すごくハマって、ビデオとかを見るようになりました。その後、バルセロナ五輪で『ドリームチーム』が結成されて、それが大きかったと思います。
──そこまでハマった理由は何でしょうか?
単純にカッコよかったからですね。2メートルの選手が垂直飛びで1メートルを跳ぶって、現実離れしてファンタジーですよね。「超スゲー!」ってなりました。『スラムダンク』の影響も大きかったですし、バッシュやヒップホップ、ストリートカルチャーにも僕は興味があったので、それが大きいですね。
──WOWOWのNBAバスケットボール2016-17シーズンのイメージソング『ONE SHOT』を手掛けていますが、楽曲制作でNBAからインスピレーションを得たりしますか?
そうですね、それこそ90年代は音楽とのつながりも密接でしたし、『RIZE』は基本的にウェストコーストのバンドサウンドなので。『ONE SHOT』のデモテープを作る時はNBAのハイライト映像を見ながら作りましたし、歌詞にもこだわりました。
──これからNBAを見始める人たちのためにNBAの魅力を教えてください。
NBAは日本と比べてサイズ的にワンサイズ上で、ボクシングのヘビー級みたいなものなので、ド派手なところを純粋に楽しいんでほしいですね。トラベリングをとらないところも含めて(笑)。あとはオールスターから何から、エンタテインメントとしての在り方を見てほしいです。
「プレーオフの反動が生んだ、悪魔みたいなチーム」
──金子さんはウォリアーズファンだそうですが、今日はキャバリアーズを応援していましたよね?
元々はそうだったんですけど、KD(ケビン・デュラント)の移籍とともに愛情が強烈なアンチに変わりました。彼がリーグのバランスを変えてしまったので……。「空気読んでよ」って感じです。
──スーパーチームを結成したことでウォリアーズファンをやめたというわけですね。
そうですね、フランチャイズビルダーというものがなくなってきて、プロスポーツは町と町の誇りをかけた戦いのはずなんですが、スター同士が徒党を組んで優勝して、それでうれしいのかなって思います。
──昨シーズンのプレーオフでデュラントはウォリアーズを最後まで追い詰めた立役者でしたね。
そうなんです、サンダーが勝っていればデュラントの移籍は多分なかったんです。あの素晴らしいプレーオフの反動が生んだ、悪魔みたいなチームなんですよねウォリアーズは。アメリカンドリームに寄りすぎて、スポーツマンシップみたいな、スポーツの美学みたいなものが失われつつあるのかと思います。
──フランチャイズプレーヤーが優勝を求めてライバルチームへ移籍するのは賛否両論ありますね。
スター選手は誰よりも子供たちのお手本にされる人物でなければいけないと思います。スター選手が負けた敵チームに行っちゃダメだよ……(笑)。いきなり三浦知良が(横浜F・)マリノスに入るかって、松井秀喜が阪神行かないでしょ。それくらいの存在だったじゃないですか、オクラホマのデュラントというのは。
──分かりやすいたとえですね(笑)。そのデュラントの活躍もあり、ウォリアーズが3連勝で優勝に王手をかけました。
さすがにレブロン(ジェームズ)がいても厳しいと思いますね……。ここまできたらウォリアーズは勝ち続けるしかないですよ。
NBAファイナルは全試合生中継、豪華ゲストも続々登場!
6/10(土) 9時45分 NBAファイナル第4戦「ウォリアーズvsキャバリアーズ」
6/13(火) 9時45分 NBAファイナル第5戦「キャバリアーズvsウォリアーズ」
6/16(金) 9時45分 NBAファイナル第6戦「ウォリアーズvsキャバリアーズ」
6/19(金) 9時45分 NBAファイナル第7戦「キャバリアーズvsウォリアーズ」