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ラブは「ウォリアーズのランを許してはいけない」

NBAファイナルの初戦から連敗を喫したキャバリアーズだが、6月4日の第2戦はそれなりに健闘したと言える。第1戦で喫した20回というターンオーバーは9回まで減らし、逆にウォリアーズから20回のターンオーバーを引き出すなど、ある程度の修正はできていた。

しかし、3点のビハインドで迎えた第3クォーターには短時間で大量失点を喫した。今のウォリアーズにはケビン・デュラントがいて、激しい守備でタフショットを打たせても高い確率で決めてくる。これでは、どれだけフィジカルなディフェンスをしても、またどれだけトランジションのペースを遅らせても、結果的には失点してしまうことになる。

ケビン・ラブは「ウォリアーズのランを許してはいけない」と語る。まずは速攻をできる限り出させないこと、そしてステフィン・カリー以上にデュラントをまずは沈黙させることが必要だが、そのための具体的な方策を見いだすのは簡単ではない。

第3戦と第4戦は、キャブズの本拠地クイックン・ローンズ・アリーナに舞台を移す。しかし、今のウォリアーズであれば敵地の不利をモノともせず、自分たちのプレーを続けるだろう。これはキャブズの力を軽く見ているのではなく、今のウォリアーズがそれだけ高い集中力と、ハイレベルなプレーを維持しているということだ。

それでも、思い切って選手起用や戦術を変えてくるのではないかとの予想に対し、ヘッドコーチのタロン・ルーは「誰が相手だろうと、自分たちのバスケットボールを変えるつもりはない」と語った。ルーにとっては、ここで小手先の変化を付けるよりも、追い詰められて発揮される『火事場のクソ力』に期待するということだろうか。

スタートから2連敗を喫した点では逆転優勝した昨シーズンと同じだが、去年のシリーズと比較するとウォリアーズの充実ぶりはレベルが違う。

ただ、まだ2敗しただけ。そう気持ちを切り替え、まずは自分たちの持ち味を発揮することに集中するのが、この苦境を脱するポイントかもしれない。ディフェンスは散々にやられているが、オフェンスも同様。カイリー・アービングも、カイル・コーバーも、JR・スミスも波に乗れていないが、3ポイントシュートの成功率アップに活路を見いだしたい。「シュートタッチは水物」であるとしたら、第2戦で18本もの3ポイントシュートを決めたウォリアーズは当たりすぎだし、キャブズは次で当たりが来てもいいところ。

注目の第3戦は日本時間の明日10時より行われる。