パスカル・シアカム

『勝ちに行く起用法』したペイサーズがマジックを撃破

オールスター以降、1カ月以上に渡って16連敗を喫したペイサーズでしたが、NBAドラフトで上位指名権を手に入れるために意図的に負けていることは間違いなく、激しい順位争いの渦中にいるマジックからすれば『確実に勝てる相手』と認識していたはずです。

しかし、突如として本気を出したペイサーズはリーグ最下位とは思えぬ強さを発揮し、128-126で勝利を手にしました。

コート上では全力でプレーすることを求めるものの、順番に主力を欠場させながら短期契約の若手を積極的に起用していくため、『意図的に負け続け』ていたのが最近のペイサーズでしたが、このマジック戦では主力選手のみのローテーションとし、全力で勝ちに行く姿勢を明確にしました。しかし、主力が勢揃いするのは久しぶりで、最大の武器であるチーム力が発揮されない懸念もありましたが、試合が始まれば余計な心配でしかありませんでした。

オンボール、オブボール両方でのプレーメークが同時進行で行われ、次々に展開される鮮やかなボールムーブに陰りはなく、ターンオーバーはわずかに7つのみ。35本放った3ポイントシュートは46%の高確率で決まり、空いたインサイドにはタイミングの良いカッティングでフィニッシュに飛び込んでいきました。これだけの高速オフェンスを少ないミスで繰り広げるチーム力は、NBAファイナルへ進んだ昨シーズンを思い起こさせるものでした。

ディフェンスでもピック&ロールに対する連携の上手さ、オフボールのローテーションの早さ、ルーズボールへの反応力、そしてマイボールになった瞬間のカウンターアタック発動の早さと、ペイサーズならではの良さが繰り広げられました。

ただし、マイルズ・ターナーが抜けたセンターは懸念事項のままで、そこをパオロ・バンケロに狙われ続けたことで39得点6アシストを許し、試合終盤に猛烈な追い上げを食らってしまいます。ある意味では『負けるチャンス』もあったペイサーズでしたが、最後はパスカル・シアカムがバンケロをブロックして試合を終わらせました。

この試合はマジックもフィールドゴール成功率51%を記録するなど内容が良く、それだけにペイサーズの強さが際立ちました。シーズン全休のタイリース・ハリバートンを始めとして欠場者が多いシーズンでプレーオフは絶望的だったとはいえ、この本気をめったに見れないのはもったいないと強く感じる試合でもありました。