ハーテンシュタイン「誰かが殴られたら守る」

10連勝中の王者サンダーに対し、14連敗と振るわないウィザーズに勝ち目はなかった。サンダーはジェイレン・ウィリアムズに加えてルーゲンツ・ドートも欠場していたが、それでもサンダーが戦力でも戦術の遂行力でも大きく上回る。ただ、ウィザーズの選手たちは自分たちの価値を示すべく王者に食らい付いた。48分間の戦いで勝てないと分かっていても、目の前のポゼッションで勝とうと全力で挑みかかった。

しかし、そのガッツが悪い方向に現れた。前半終了間際、アンソニー・ギルがペイントを攻めてフックシュートを決めた後、リスタートしようとするジェイリン・ウィリアムズと守備に戻ろうとするジャスティン・シャンペニーの進路が交錯する。お互いが少しだけ向きを変えるだけで良かったのだが、2人とも譲らずに胸と胸をぶつけ合う。

両者の間に入ったアジャイ・ミッチェルが、シャンペニーに顔を突き飛ばされたことで激高し、ここから両チームの選手が入り乱れ、しかもコートエンドのカメラマンや観客のいるエリアも含めた乱闘に発展した。結果としてウィザーズのシャンペニー、サンダーのミッチェル、ウィリアムズ、ケイソン・ウォレスが退場処分となった。

この時点でウィザーズは63-68とサンダー相手に5点差と善戦していた。それでも第3クォーターのサンダーは、ミッチェルとウォレスのガード2人の退場によるプレーメークの穴を、チェット・ホルムグレンとアイザイア・ハーテンシュタインがポストアップからのパスでカバー。さらにシェイ・ギルジャス・アレクサンダーの16得点でリードを広げた。

そして最終クォーターに3ポイントシュートの当たりが止まったウィザーズを一気に突き放す。132-111で勝利したサンダーは連勝を11に伸ばし、ウィザーズの連敗は15となった。

サンダーを率いるマーク・ダグノートは「ハーフタイムに乱闘の映像を確認したが、納得できる判定ではなかった」と語る。それでもその表情には怒りも不満もない。レフェリーはミッチェルとウォレスを退場させた判断について「乱闘を止めるべきなのに、エスカレートさせた」とコメント。ダグノートはこれに同意しなかったが、「意見の相違はあるものだ。それを認めて進むしかない」と、後半に集中を切らすことなくきっちり勝ちきったチームの戦いぶりを称えた。

9得点20リバウンド10アシストと、得点だけ足りないという珍しい『トリプル・ダブル未遂』となったハーテンシュタインは、「相手が1人でウチの退場が3人なのは納得できないけど、運が悪かったと思うしかない。これは正しいか正しくないかじゃない。誰かが顔面を殴られたら、仲間として守らなければならない」と乱闘を振り返る。

サンダーが乱闘を起こす回数が多いのではないかと質問されると、ホルムグレンはこう答えた。「要因はいろいろある。僕らはフィジカルに戦うチームで、どの試合でも相手は僕らに負けないようにガッツを剥き出しにして向かってくる。それに対して僕らは一歩も引かない。それはどちらかが悪いという話ではないと思う。僕らは闘志に満ちたチームで、相手も全力で挑んでくる。そうなると衝突が起きることもある。それだけのことさ」