
「ブレックスらしく戦えたと思います」
3月18日からマカオ特別行政区で開催されている『東アジアスーパーリーグ(EASL)』のチャンピオンを決める『EASLファイナルズ マカオ2026』。宇都宮ブレックスはファーストラウンドでニュータイペイ・キングスを85-64で破り、琉球ゴールデンキングスが待つセミファイナルへ駒を進めた。
ニュータイペイとの試合で大きな潮目を迎えたのは、相手のエースガードが負傷退場した後の宇都宮の連続3ポイントシュートだった。動揺が隠せないニュータイペイに対して、宇都宮はボールをしっかりと回してフリーを見付け、長距離砲を射抜いていき一気に形勢を逆転させた。
「エース的な選手がいなくなってしまい、互いに万全の体制で戦いたかったなというのは正直あります。ですが、自分たちの切り替えは、あそこで上手くできたかなと思います」。そう語るのは、波状攻撃でシュートタッチの良さが際立っていた遠藤祐亮だった。
「タッチは最近のレギュラーシーズンでも良く、EASLではボールの質感が違って大変な部分はありましたが、予選でもめちゃめちゃ調子が良かったので、積極的に打っていこうと思っていました」。そう語るように、グループステージでの3ポイントシュート成功率が46.7%、この試合でも3本中2本を成功と高確率で決めた。その理由についてこう説明する。
「海外のチームは結構ボールに寄っていくイメージがあったので、良いスペーシングを取ったことで良いワイドオープンのスリーを打てました。自分たちのやりたいことがしっかりとできたことで自信を持って打てた結果、インサイドも生きてブレックスらしく戦えたと思います」
公開された練習で遠藤は、9割近い確率でシュートを決めていた。「練習で8割から9割入っていたら、試合では4割ぐらい入ると過去に教えられたことがあり、練習は自分のタイミングで打てるので、あまり外さないようにしようと意識しています」。そういった高い意識で練習を積み重ねていくことが好調を維持する秘訣となっている。

「どちらがディフェンスを頑張れるのか」
過去にはBリーグの年間最優秀ディフェンダーにも輝いた遠藤だが、3ポイントシュートでの貢献度も高いのはお墨付きだ。ディフェンスを任せられることも多いが、近年の宇都宮は若手の高島紳司や小川敦也の台頭もあり、ディフェンスの負担が軽減されている。その中で遠藤はディフェンスでの隠れた貢献者を口にした。「個人としてD.J(ニュービル)が頑張ってくれていたと思います。いつもは得点で引っ張ってくれるD.Jが、ディフェンスで活躍していたので、その分オフェンスで助けてあげないとっていう気持ちもありました」
もともと、ニュービルはオーストラリアのNBLで最優秀守備選手賞に輝いた経歴もあり、ディフェンス能力が高い。彼が相手のハンドラーを止めてくれたことでチームメートは他の部分で貢献しようと考える好循環が生まれ、チームで25本のアシストを記録したように、オフェンスにも良い影響を与えた。「D.Jと比江島(慎)選手に厚くディフェンスが来ていたので、あそこでの崩し方というのは、バイウィークが明けてからレギュラーシーズンでもやってたことだったので、それが上手くハマって良かったです」
ただ、良かったことばかりでもない。第1クォータはリードを許してしまった。「インテンシティをもっと上げてディフェンスしようという話をしてスカウティングをしたのですが、そこがあまりできていなかったです。簡単にパスも回るし、(ジェイレン)ハリス選手にボール持たれてしまいました。そのあたりはエナジーがないと感じていましたが、試合が経過するごとに上げていけたことが良かったです」
大会の初戦はどのチームも入り方が難しいものである。この経験をできたことは一つの収穫と言って良い。セミファイナルでは琉球が待ち受けており、昨年もEASLを戦った経験のあるチーム相手には命取りとなる可能性もある。遠藤もこう言う。「ニュータイペイ戦では、第2クォーターあたりから良いリズムでずっとできていました。相手は初戦なので、そこは自分たちが1ゲーム戦っていることを武器に頑張れば良いかなと思います」
そして、こう続ける。「今シーズンはまだ琉球と戦っていなく、どの選手が出てくるかも分かりません。(Bリーグ)ファイナルの感じだと、どちらがディフェンスを頑張れるのか、本当に我慢の試合になるのではないかと思います。リバウンドでも勝ちたいというのが、セミファイナルの目標の一つでもあります。相手のビッグマンは一人で抑えることが難しい選手が多いので、自分たちのチーム力というの見せて、助け合いができればリバウンド対決にも勝ち切れるんじゃないかなと信じています。チーム一丸となって戦えることができれば、絶対勝てと思っています」
Bリーグ勢同士の戦いがセミファイナルで実現し、どちらかが敗退してしまうのは贅沢な悩みだが、高いレベルの戦いが予想される。宇都宮がファイナルを勝ち取るためには、好調をキープする遠藤の3ポイントシュートが勝負を分ける武器となりそうだ。