野口さくら

「自分らしいプレーをしっかりと世界の舞台で」

20日からスタートするU19ワールドカップの日本代表は、昨秋に行われたU18女子アジア選手権で準優勝に輝いたメンバーたちが大半を占めている。そんなチームに割って入った新戦力の中でも注目したいのが野口さくらだ。

安城学園では、ボールプッシュもできる抜群の機動力とハンドリング能力を備えた181cmのオールラウンダーとして、2年時にはウインターカップでチームを準優勝に導いた。昨年はU17ワールドカップに出場し、7位となったチームで平均12得点5.1リバウンド2スティールと持ち味をしっかり発揮している。

Wリーグではルーキーの野口だが、シャンソン化粧品には1月にアーリーエントリーで加入。プレーオフを含め9試合に出場して貴重な経験を積み、得たものも大きかった。「スクリーンの使い方とか、一つひとつのプレーで周りを見て、しっかり考えて動かないといけないことを学びました。3ポイントシュートが安定していないので、磨いていきたいです」

世代別ではあるが2年連続での世界大会に向け、野口は次のように意気込みを語る。「U17ワールドカップでは7位でした。今回は自分自身もやっぱりメダルを取って帰りたい思いです。自分らしいプレーをしっかりと世界の舞台で発揮することがテーマになっています」

野口さくら

「攻めて行ける時にはどんどんボールプッシュを」

『自分らしいプレー』を具体的に言うと「ドライブが持ち味なので、誰につかれてもしっかりとペイントにアタックしていきたい」となる。

優勝候補の筆頭であるU19アメリカ代表との練習試合では、ドライブへの手応えを深めるとともに、強気の姿勢を継続することの重要性を痛感した。「アメリカと戦って、ある程度は通用すると実感しました。ただ、相手の高さを怖がって自分らしいプレーができない時もありました。本大会では、ブロックされた後でも迷わずに自分らしいプレーをしていかないといけないです」

今回のU19ワールドカップでは、20日にドイツとの初戦、翌21日スペインと、いきなりヨーロッパの強豪と連戦が組まれる過密スケジュールとなっており、その中で勝ち抜くには一部の選手に依存しないプレータイムのシェアが不可欠となる。

だからこそ、野口にも日本の特徴であるトランジションバスケットボールにおいて攻撃の起点として、また速攻のフィッシャーとして期待がかかる。本人も「リバウンドを取った後、そのまま自分で攻めて行ける時は、どんどんボールをプッシュしていくように萩原(美樹子)ヘッドコーチから言われています。そういうところはしっかり狙っていきたいですし、逆に味方がリバウンドを取った時は、しっかり走って自分がシュートを決めていきたいです」と意欲を見せる。

「緊張よりワクワクしている気持ちの方が大きいです」と心境を語る彼女が、世界の高さを相手にしても物怖じせずに持ち味のドライブを続けることができれば、それは日本にとって頼もしいオプションとなる。