ジェームズ・ハーデン

「彼らはお互いを生かす方法を知っている」

ロケッツ指揮官のマイク・ダントーニは、ジェームズ・ハーデンと、サンダーから獲得したばかりのラッセル・ウェストブルックの共存に自信を見せている。

「素晴らしい選手は共存する方法を見つけられる」と『Houston Chronicle』に語ったダントーニは、ボールを持つ傾向が強い2人の共存に批判的な意見に対し、2012年ロンドン五輪での経験を挙げて反論した。

当時アメリカ代表のアシスタントだったダントーニは、「代表でのことを思い返すと、全選手がボールを持ってやっていた。機能させる方法を、選手たちが見出していた。素晴らしい才能に恵まれた選手たちが集まった世界でもベストのチームで、彼らは上手くやっていた。我々のチームも同じようになる」とコメント。そして、「問題になるのは、ケミストリーが上手く機能しなかったり、選手がチームでプレーしたいと思わない時だ。2人のペアは上手く行く」とも明言した。

ボールを保持するタイプと言えば、クリス・ポールとハーデンのデュオも、結成当初から今回と同様の批判をされたものの、結果的に機能した。2人が初めて一緒にプレーした2017-18シーズンは、球団記録となる65勝をマークし、プレーオフでも西カンファレンス・ファイナルにまで勝ち進んだ。

サンダーとの大型トレードにより、ポールとウェストブルックが入れ替わった形になったが、ダントーニは過去にサンダーで2人が一緒にプレーした経験があることが大きいと言う。

「彼らは過去に一緒にプレーした。それが何よりも大きい。お互いを生かす方法を知っている。これまでよりもオープンな状況を生み出せるだろう。それを生かして、今までより速いペースでリムに向かう。フロアを広げられるだろうし、もしジェームズがラスにパスを出せば、彼はシュートを狙うか、アタックできる。いずれにしても、これまでと同じように、フロアを広げられる」

「おそらく、ラスは今まで以上にリムに迎えるスペースを得られるだろう。これまで通り、圧倒的な形でプレーできる。それが素晴らしい選手というもので、私の仕事を随分と楽にしてくれる。我々は、彼らのポテンシャルを最大限に引き出す。彼ら以外にも、コートに立っている全員の力を引き出す」

サンダー時代はケビン・デュラントとのトリオだったが、昨シーズンの平均ドライブ数でリーグ1位(19.6)だったハーデンと、同3位(18.4)だったウェストブルックのダイナミックなデュオが結成され、ロケッツは来シーズンも西の優勝候補に挙げられている。

指導者として経験豊富なダントーニにとっても、期待度が高いシーズンになる。