指揮官ホーバス、渡嘉敷の合流に「すごく楽しみ」
バスケットボール女子日本代表チームは、来年に迫った東京オリンピックを見据えつつ、今夏開催のアジアカップへ向けた強化合宿を行っている。アジアカップはバンガロール(インド)で9月24日に開幕することが決まり、合宿を重ねてチームを作りつつ、8月24日と25日にはさいたまスーパーアリーナにチャイニーズ・タイペイを迎えてテストマッチを行う。
メディア向けに公開された今日の練習では、オフェンスシステムの確認やメインメンバーを軸とした5対5のゲームが行われた。5対5ではしばしばヘッドコーチのトム・ホーバスから厳しい指摘が入り、選手間でもコミュニケーションが取られて課題を修正する姿が見られた。
この中でも目立っていたのが、久々の代表復帰となった渡嘉敷来夢だ。2016年のリオ五輪では日本のエースとして活躍した渡嘉敷だが、2017年の夏はWNBAに挑戦、そして昨年はケガの治療を優先して代表候補には入ったがワールドカップ出場を回避したため、実質的には3年ぶりの代表復帰となる。久々ではあるが「JAPAN」のジャージーに身を包んだ渡嘉敷は溌剌とした動きを見せ、初めて一緒にプレーする選手もいる中で自ら積極的にコミュニケーションを取っていた。
ホーバスヘッドコーチは「第5次合宿では新しいメンバーも結構入って、システムの確認をメインに行いました。今は第6次合宿で、ベルギー戦の時のような準備はまだやっていない。タイミングとかスペーシングはまだ100%ではないけど、みんなすごく頑張っている」と、チームの現状を語る。
さらに久しぶりの代表復帰となった渡嘉敷については、こうコメントする。「渡嘉敷はコンディションが悪かったが、やっと良くなってきて調子も上がってきている。今は外のシュートもきれいに打っていて、オフェンスのシステムも少しずつ理解してきているので、すごく楽しみ」
渡嘉敷「今はみんなについていくのに必死です」
その渡嘉敷は「今はみんなについていくのに必死。フォーメーションを覚えたり、他の選手がどういうことを得意としているのかを日々の練習で見ながら一生懸命ついていくのが現状です。このブランクは、自分のコンディション不良もありチームを引っ張って行かない立場としては難しい時期だったんですけど、今こうしてまたコートに立ってプレーできていることが幸せです」と笑顔を見せた。
1カ月半前に水戸で行ったベルギーとの2試合では、チーム作りの進捗を確認するとともに課題もみつかった。ただ、得点でもリバウンドでもチームトップレベルの実力を持つ渡嘉敷が加わったことで、日本代表はさらなる飛躍が期待できる。
この合宿の成果は、8月のさいたまスーパーアリーナで確認できるはず。渡嘉敷の加入は他のメンバーにも良い刺激になるはずで、渡嘉敷が不在の間に台頭した若手とのケミストリーにも期待したい。ホーバスヘッドコーチが求めるバスケットがどのような形で体現されていくのか、注目だ。
バスケットボール女子日本代表 第5・6次強化合宿参加メンバー17名
髙田真希(PF / デンソー アイリス)
渡嘉敷来夢(PF / JX-ENEOSサンフラワーズ)
本川紗奈生(SG / シャンソン化粧品 シャンソンVマジック)
町田瑠唯(PG / 富士通 レッドウェーブ)
宮澤夕貴(SF / JX-ENEOSサンフラワーズ)
谷村里佳(PF / シャンソン化粧品 シャンソンVマジック)
本橋菜子(PG / 東京羽田ヴィッキーズ)
三好南穂(PG / トヨタ自動車アンテロープス)
長岡萌映子(SF / トヨタ自動車 アンテロープス)
藤岡麻菜美(PG / JX-ENEOSサンフラワーズ)
林咲希(SG / JX-ENEOSサンフラワーズ)
馬瓜エブリン(SG / トヨタ自動車 アンテロープス)
佐藤奈々美(SG / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
梅沢カディシャ樹奈(C / JX-ENEOSサンフラワーズ)
赤穂ひまわり(SG / デンソー アイリス)
馬瓜ステファニー(SF / トヨタ自動車 アンテロープス)
オコエ桃仁花(PF / 富士通レッドウェーブ)