内尾聡理

平均ファウル数2.6個に「少ないと思っています」

佐賀バルーナーズはアルバルク東京に連敗し、西地区6位(21勝18敗)でバイウィークを迎えた。

A東京との試合は大黒柱のタナー・グローヴスを欠いていた。それでも第1戦は第3クォーター終了時点で5点をリードする展開に持ち込み、第2戦は3ポイントシュートを50%で決められながらも、インサイドの不利を運動量でカバーする狙いが見えた試合運びだった。

だからこそ、宮永雄太ヘッドコーチはこの結果をポジティブに受け止めた。「自分たちがやりたいバスケットを徹底して最後までやってくれた。選手たちの成長に繋がると思いますし、今後の我々のチーム作りにおいて、非常に大切な試合になったと思います」

佐賀はトラップ気味にボールマンプレッシャーをかけ続けた。そのため、ダブルチームをかいくぐられフリーのシュートチャンスを多く与えたことで、18本もの3ポイントシュートを高確率で決められた。それでも、スティールからイージーレイアップに繋げることも多く、ターンオーバーから22得点を挙げた。リスクを分かった上でこの戦い方を最後まで遂行した。金丸晃輔やジョシュ・ハレルソンらが離脱した中、攻めるディフェンスができたからこそ胸を張れる敗戦となった。「ディフェンスの部分は手応えをつかんでいるというか。自分たちのシステムに自信を持って戦えているなと感じた」と宮永ヘッドコーチは言う。

このディフェンス面でチームの中心にいるのが内尾聡理だ。2023-24シーズンに特別指定選手として千葉ジェッツに加入すると、そのディフェンス力を買われて先発に抜擢され、チャンピオンシップでも先発を任された。翌年にファイティングイーグルス名古屋に移籍し、今シーズンから佐賀に加わった。

もちろん内尾も「ディフェンスはずっと僕の武器で、変わらずに求められると思っています」と自身のストロングポイントを理解し、宮永ヘッドコーチも「彼の1歩目の速さや読みというのは、他の人にないところです。自信を持って彼をエースにマッチアップさせることができる」と信頼を寄せる。

この『信頼』を裏付けるのがファウルの多さだ。内尾は4ファウル以上の試合が8試合あり、そのうち4試合でファウルアウトしている。平均ファウル数は2.6個でプレータイムが16.58分の内尾にとってこの数字は多いと言える。だが内尾は「いや、もっとしていると思っていたので、少ないなと」と笑った。

内尾聡理

「僕は自分のやるべきことをやるだけです」

ファウルが多い自覚はありつつも、審判へのアジャスト以上に彼が優先しているのは、自らの存在意義でもある『ディフェンスの強度』だ。内尾にとってファウルを恐れて強度を下げることは、自らの武器を捨てることに他ならない。

「そこ(強度)を変えてしまったら、僕の良さがなくなっちゃうと思うんです。プレッシャーをかけないとか、ボールを追わないというのは違くて、そこはプライドを持ってやりたいです」

ファウルトラブルに陥れば、選手は常にファウルを気にしながらのプレーを強いられ、指揮官も選手のやりくりに支障をきたす。だが、宮永ヘッドコーチはこの一見リスクとも取れる姿勢を全面的に肯定している。「(ファウルの笛に)アジャストしてほしいという感情はないか」と問うと、宮永ヘッドコーチは「あまりないですね」と答えた。

「チームのためにファウルを使ってくれているという自己犠牲。自分の強度を変えないというところでやってくれている。例えば、プレータイムが欲しい選手は、ファウルになりそうだと思ったら手を緩める選手もいると思うんです。でも彼は一貫して自分のスタンスを変えずにやってくれているので。ウチのチームのトーンをセットしてくれているというところで、すごく意味のあるファウルだと思う。ポジティブなイメージのほうが強いです」

内尾がファウルを恐れずにプレーできる背景には、チームメートへの強い信頼もある。「(ファウルで)出れなくなる場面は今シーズンもありましたけど、そこは仕方ないと割り切ってやるしかないです。前半で3つしようが、ベンチから出てくるメンバーを本当に信頼しているので、僕は自分のやるべきことをやるだけです」

バイウィーク明け、チャンピオンシップ(CS)出場という高い目標に向け、佐賀はさらなるアップデートを狙う。ファウルを恐れずにエースを封じ込め、チームのトーンを決定づける。その内尾の決して引かない『強度』が、佐賀をさらなる高みへ押し上げる鍵となるはずだ。