「僕が先頭に立って練習がうまく回ればいいなと」
桶谷大新ヘッドコーチの下、男子バスケットボール日本代表は新しい方針でスタートを切った。その大きな特徴として挙げられるのが、アシスタント陣にも大きな権限を与え、それを桶谷ヘッドコーチが集約していくスタイルだ。具体的に言えば、オフェンスはライアン・リッチマン、ディフェンスは吉本泰輔の両アシスタントコーチが主に担当する。
シーホース三河の西田優大は、『FIBAワールドカップアジア予選Window1』のチャイニーズ・タイペイとのホーム&アウェーで攻守にわたって活躍。特にアウェーのゲーム2は18得点6リバウンドの大暴れだった。
前指揮官のトム・ホーバスが日本屈指のオンボールディフェンダーと常に評価していたように、西田のディフェンス力は中国、韓国のガード陣の積極的なアタックを食い止めるためにも欠かせない。もちろん、ドライブや3ポイントシュートなど、オフェンス面での活躍にも期待がかかる。そして、リッチマンACは三河のヘッドコーチであり、西田は「もちろん、やりやすいです」と笑顔を見せる。
「まだ始まったばかりですが、自分としてもプレーしやすくなるんじゃないかと。みんなが覚えないといけないことで、僕が覚えてなくていいこともある訳で、そういった意味では違うことにも頭を使えるし、フレッシュにやれるかと思います」
また、リッチマンの考えを熟知しているからこそ、自分が円滑なコミュニケーションの架け橋になるつもりだ。「それはもちろん考えています。僕が先頭に立ってやって、みんながついてきてくれることで、練習がうまく回ればいいなと思っています。どんどん先頭でやりたいです」

「韓国にはケチョンケチョンにやられて悔しかった」
もちろん始まったばかりで全体像はまだ見えてこないが、オフェンスの変化についてこのように語る。「今までやっていた、ボールの動きが止まったらピックを呼ぶというアクションも少しずつ変わっていきそうです。桶さんが目指すポジションレスなバスケットの中で、コート全体を使いながらやることで、しっかりボールがゴール下に降りたりと、ハーフコートオフェンスのペースは変わっていくと思います」
そしてディフェンスについては、「ダイスさん(吉本)のパッションをすごく感じました。まだ、1回しか練習をやっていないですが、ディフェンスのシステムを落とし込む中で熱量が僕にはかなり伝わって、すごく強度が上がりそうな印象です」と続ける。
今回のWindow2で対戦する中国、韓国は強国であり、近年の対戦成績を見ても苦戦を強いられることは間違いない。西田は相手ではなく、自分たちの遂行力を重要視する。「相手がどうこうというより、体制が変わることで、まずはどうやってプレーを落とし込んでいくかが大事です。最初から上手くいくとは思っていないので、その中で課題が見えてくると思います」
ただ、その中でも「もちろん勝ちたいです」と勝利への強い意欲を見せる。「韓国は昨年の夏の強化試合でメンバーが揃っていなかったですが、ケチョンケチョンにやられてすごく悔しかったです。中国がサイズのあるチームだというのは分かっているので、その中で自分のペイントアタックがどこまで通用するのか。自分にとってもチャレンジになる、すごく楽しみな2試合です」
自分の生かし方を誰よりも理解しているリッチマンがオフェンスの戦術担当となったことで、西田の存在感は以前よりも増すだろう。さらに強度を高める上で欠かせない対人ディフェンスの強さを備えた西田は、新体制での飛躍が楽しみな代表的な存在と言える。
