
「思い切りの良さは間違いなくトムが伸ばしてくれた部分」
バスケットボール男子日本代表は来週に迫った『ワールドカップ2027アジア地区予選』Window2に向けて強化合宿を行っている。
練習は和やかな雰囲気の中で行われたが、渡邊雄太は「一日たりとも無駄にできる日はないので、みんな集中して初日にしては良い練習ができたと思います」と総括。そして、新指揮官の桶谷大ヘッドコーチについては「接点はなくて、琉球(ゴールデンキングス)さんが相手の時に少し話をするぐらいだったんですけど、人間的に素晴らしい方だというのはバスケットを見ていたら分かる部分があるので、そこに関してもすごく信頼しています」と語った。
桶谷新ヘッドコーチは「良いものをしっかりと残すところからまずは入っています」と話し、劇的な変化を選ばずトム・ホーバス前ヘッドコーチのスタイルを踏襲する考えを示した。この『良いもの』の一つに、選手たちが持てるようになった自信がある。渡邊も「思い切りの良さは間違いなくトムが伸ばしてくれた部分」と言い、「誰でもまずシュートを狙う。自分の目の前が空いていたら迷わずしっかり狙っていくところは引き続きというか。自信を持ったプレーは伸ばしていきます」と続けた。
そして、チャイニーズ・タイペイ戦で成功した、連動したチームバスケットも新体制で受け継がれていくという。「前回の台湾戦の時も『ノーラグ(ボールと選手が止まっている時間をなくす)』という言葉を使って、ボールを持っている時や持っていない時のコート上でのラグをなくそうという話をしていました。前回にそこを強調してやり始めて、コーチが変わってもそこを強調しています。新しいオフェンスやディフェンスをノーラグでできていた部分も多かったと思うし、そこはトムさんから引き継がれている部分かなと思います」
「ビッグマンがリバウンドを取ってそのままボールを運び、そのままオフェンスに入るとか、ガードがダンカースポットに入るとか。最近のNBAでもポジションレスな部分は多くなっていますし、自分たちにもフィットしていくと思っています」
ホーバス前ヘッドコーチの解任劇は様々な憶測が飛び交うほど、世間の注目を浴びた。当然ながら、選手たちもいろいろな感情を抱いただろう。渡邊は「発表がある前に実際にトムに会って、感謝を伝えたりもできましたし、本当に楽しい5年間だったのは間違いないです」とホーバス前ヘッドコーチへの思いを語ったが、すでに前だけを向いている。
「台湾に2連勝して良い形で終わることができたし、当然トムには本当に感謝をしています。ただ、自分たちはまた次の目標に向かって新しい布陣でというところなので、そこはプロフェッショナルとして、新しいコーチ陣とともに信頼し合いながらやっていければと思っています」
今回のWindow2は2月26日に中国と、3月1日に韓国と対戦する。先に対戦する中国はWindow1で韓国に連敗しているため、日本との一戦は死に物狂いでかかってくるに違いない。FIBAランキングでは日本が22位、中国が27位、韓国が56位となっているが、これはあくまで指標でしかなく、昨年以降については日本よりも韓国、中国の方が質の高いパフォーマンスを見せている印象が強い。だからこそ渡邊も、挑戦者の姿勢を崩さずに必勝を誓った。
「2連勝が必要なのは大前提です。中国に関しては連敗しているので、自分たちを倒しに全力で戦いに来るでしょう。ここ数年は日本のほうがFIBAランキングも伸びていますが、僕が逆(中国や韓国)の立場だったら相当悔しいですし、『絶対に日本を倒してやる』という気持ちで来るのは間違いないと思います。自分たちのランキングが上だとかは一切気にせず、あくまで倒すべき相手として、チャレンジャーのつもりでやっていきたい」