あくまでも優勝を追い求めるハーデン、トレードを要求
クリッパーズとキャバリアーズは、ジェームズ・ハーデンとダリアス・ガーランドのトレードで合意に至った。
今回のトレードは、ハーデンのトレード要求が発端となった。彼は過去にロケッツ、ネッツ、シクサーズにトレードを要求している。ロケッツ時代から彼はNBAで最高の選手の一人だったが、ステフィン・カリーに負けない得点能力を発揮していても、『王朝』最盛期のウォリアーズに阻まれ続けた。
ネッツでケビン・デュラントとカイリー・アービングとの『ビッグ3』を結成。スーパースターの共存のために得点からプレーメークへとスタイルを変えるも、ケガ人が相次いで優勝争いに絡むこともできなかった。シクサーズでは自分の年俸を削ってでも優勝へと意欲を見せたが、結局は使い捨てられることになった。
クリッパーズではカワイ・レナードとコンビを組んだが、ここでもチームは優勝争いに絡めず。3年目の今シーズンはカワイがまたも出遅れ、ノーマン・パウエルの放出でチームバスケを作り直すことになり、開幕から2カ月で6勝21敗と最悪のスタートに。その後に17勝5敗と強烈な巻き返しを見せたものの、今も順位は西カンファレンスの9位。ハーデン自身は絶好調をキープしているが、それでも状況が好転しないのだから危機感を抱くのも無理はない。直近の2試合を「個人的な理由」で欠場したことでトレードが噂となっていた。
キャブズは右肩上がりだった成長が頭打ちとなっていた。今シーズンは30勝21敗で、64勝を挙げた昨シーズンから失速。7年目のガーランドはケガが多く、昨シーズンはキャリア最多の75試合に出場したものの、肝心のプレーオフではつま先のケガで低調な出来に終わり、そのケガは半年以上たった今まで尾を引いていた。
エバン・モーブリーにマックス契約を与え、来年オフにはドノバン・ミッチェルとマックス額で契約延長する予定のキャブズは、ケガの多いガーランドの将来性に疑問を持つようになった。今がまさに勝負のシーズンで、ここから巻き返して優勝するために、このトレードに踏み切った。
もっとも、これは危険な賭けだ。ハーデンの契約はあと1年残り、来シーズンは4200万ドル(約63億円)のプレーヤーオプション付き。今回のトレードが決まるまでの過程で契約延長を約束している可能性が高く、ガーランドより10歳年上で高給取りの選手を抱えることになる。
いずれにせよ、今回のトレードでキャブズは最低でもNBAファイナル進出が義務付けられた。ハーデンと高額契約を結んだにもかかわらず今シーズンが失敗に終われば、ミッチェルに愛想を尽かされる可能性もある。
一方のクリッパーズは、ガーランドをチームに組み込んで巻き返しを図るが、チームバスケにおけるハーデンの重要度はパウエル以上で、シーズン中盤の好調は一度リセットされる。序盤の苦しみを再び味わうようであれば、プレーオフ進出は厳しいと言わざるを得ない。
今後はカワイの去就も問題となりそうだ。彼の契約は残り2年で、すべて順調であれば今オフには契約延長となるところだが、もう34歳と若くない上にケガの多さは相変わらず。さらに昨年夏に浮上したカワイを巡るサラリーキャップ違反の契約疑惑も解消されていない。クリッパーズがカワイも放出して、完全に再建へと舵を切る可能性もある。
