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キャップスペースに空きはなく、ポール側の譲歩が必須

巷では、今オフにクリッパーズとの契約最終年を破棄しフリーエージェントになる可能性が高いクリス・ポール獲得を、スパーズが狙っているという噂が広まりつつある。

『ESPN』も、スパーズがポール獲得に本腰を入れ始めたと伝えたが、それでも現時点では実現に至らない可能性の方が高い。

もしスパーズがポールとマックス契約を結ぶ場合、その年俸は3600万ドル(約40億円)程度になる見込み。来シーズンのスパーズの総年俸額は9582万7665ドル(約106億円)で、来シーズンのチーム総年俸額の上限にあたるサラリーキャップは1億2000万ドル(約135億円)程度になると予想されている。つまり、もしスパーズが真剣にポールの獲得を検討しているならば、なおかつラグジュアリータックスの支払いを回避する方法を見つけなければならない。

単純に計算すると、来シーズンの年俸1600万ドル(約18億円)超えのパウ・ガソル、1500万ドル(約17億円)超えのトニー・パーカー、1000万ドル(約11億円)のダニー・グリーンを放出すれば済む話だが、ポール一人を獲得するのに、優勝経験のあるベテラン2人と、勝負どころでしっかり仕事をしてくれるシューティングガードを失っては本末転倒だ。

ポールが本気でスパーズ移籍を考えているのなら、優勝の可能性と引き換えに大幅に減額した年俸での契約に応じるかもしれない。しかし、NBAフランチャイズを抱える都市の中でも最大規模であるロサンゼルスのスター選手が、32歳という全盛期に高額契約をみすみす手放すとは考えにくい。

フリーエージェント選手との交渉は、7月1日から解禁になる。6月下旬までにスパーズが何らかのアクションを起こすかどうかで、ポール獲得に向けた本気度が明らかになるはずだ。