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デュラント「僕は前のチームを離れただけ」

2017年のNBAファイナルはウォリアーズvsキャバリアーズ。『ラバーマッチ』と呼ばれる因縁の対決が6月1日からスタートする。

今年のプレーオフでは、ファンの不満が『ある一点』に向いてしまった感は否めない。それは、『NBA戦力不均衡』という問題だ。特にウォリアーズは、西カンファレンス1回戦から負けなしの12連勝で3年連続のファイナル進出を決めた。東の覇者キャブズもまた、12勝1敗という、ほぼ完璧な戦績で2連覇挑戦の資格を得た。

昨年のオフにサンダーからウォリアーズに移籍したケビン・デュラントは、この戦力不均衡問題について持論を語った。「マジックが5、6年続けてプレーオフ進出を逃したのは僕が原因とでも言うのかい?」とデュラントは苦笑する。

「同じように、ネッツがドラフト1巡目指名権をセルティックスに譲渡したのは僕が原因で、そのせいでネッツは弱いんだろうか? 僕が全チームでプレーするのは不可能だ。僕は前のチームを離れただけ。そのチームはメディアやファンが優勝を狙えるかもしれないと思っていたチーム。ただ、僕の力だけでイースト全体のレベルが上がることはないし、同じことはウェスト全体に関しても言える」

デュラントの意見はもっともだが、シーズンMVP受賞経験のあるトップ選手2人(ステフィン・カリー、デュラント)がチームメートとなれば、周りから疎ましく思われるのは無理もない。今シーズンのキャブズもまた、レブロン・ジェームズという絶対的な存在を頼りに、優勝を願う元エース選手クラスのベテランが集まってできただけに、目の敵にされてしまった。

しかし、ウォリアーズもキャブズも、NBAのルールに違反して現在のチームを作ったわけではない。優勝するには最低でもトップクラスのタレント3名が必要な『ビッグ3時代』を迎えたNBAでは、チームマネージメント能力も優勝に欠かせない重要な要素だ。

とかく批判が多かった今年のプレーオフも、残すはファイナルのみ。戦力不均衡問題はひとまず脇に置いて、名実ともに最強と言われる2チームの激突を楽しむべきではないだろうか。