日本バスケットボール協会は継続的な男子日本代表チームの強化と、ウィリアム・ジョーンズカップへ向けた選手選考を目的として育成キャンプを行っている。育成キャンプとあって、平均年齢は22.9歳と将来性のある若手選手が多く招集された。だがそこには、今年で35歳を迎えたベテランの太田敦也の姿もある。若手とともにみっちりと汗を流す太田に話を聞いた。
平均身長195.5cmのメンバー「俺、別に普通だな(笑)」
──太田選手は自ら志願して合宿に参加したと聞きましたが、実際はどうなんでしょうか?
練習させていただいている太田です(笑)。自主練する場所はあるんですけど、身体を動かして対人練習をやりたかったのでお願いしました。
──オフはゆっくり休みたいとは思わないんですか?
チャンピオンシップもなかったですし、今年は久しぶりに1カ月以上休みがあったので。むしろ休みすぎたぐらいです。
──得意のスピンムーブが炸裂していましたが、ピークを持ってくるのが早すぎたのではないでしょうか?
いやぁ、久々に出たんですよ(笑)。ようやく戻ってきた感じです。
──平均身長195.5cmのチームで若手とやってみて、感じるところはありますか?
自分たちの頃に比べたら上手い子が多いですね。外からも打てるし、ドライブもできる。なおかつ、みんなすごいデカいですし。俺、別に普通だなって(笑)。
──206cmの太田選手は決して普通ではないと思います。ようやく、次を任せられる選手が現れたといった感じでしょうか?
ようやく現れたというか、「いたんだな」と思いましたね。こうやって外からわざわざ来てくれる子もいて、よく探してみたら、大きくて上手くて能力のある子がいっぱいいるんですね。こういった選手が下から出てきてくれるのは、やっぱりうれしいです。
「あの子たちが成長しているところを見るのが楽しみ」
──こうした選手たちと対峙して、あらためてビッグマンの必要性を感じたりしますか?
日本は身長や能力で負け続けてきたので、やっぱり必要ですよ。リバウンドだとか、ブロックショットだったり、自分たちが一番足りなかったものを持ってきてくれるのが、この子たちかなと本当に思います。
彼らがジョーンズカップを戦って経験を得て、今度会った時に成長しているところを見るのが楽しみでもあります。前より上手くなっているなとか、こういうことをやるようになったんだとか、そういうのを見るとちょっと楽しいですね。
──『ライバル』というよりも、我が子を見守る親目線ですね。
父の日に「お父さん」って言われまくったことはありました(笑)。でも、こいつらの親父は嫌だなあ、まとまらないし(笑)。
──世代が異なる若手とのコミュニケーションを難しく感じることはありませんか?
ちゃんと真剣に聞いてくれて、その場で出そうとしてくれますし、コミュニケーションはしっかり取れていると思います。ガードとかペリメーターの選手も「こうしてください」とか「もうちょっと遅くやってください」とか言ってきてくれます。こういうのも彼らの経験になると思いますし、思ったことを伝えることは大事です。
自信がある選手は多いのですが、それを勘違いしていることも見受けられます。独りよがりのプレーをしたりすることもあるので、そこは注意してあげたいです。