吉岡陽

片峯コーチへ相談し、シュート確率が向上

ウインターカップ男子準決勝、福岡大学附属大濠vs鳥取城北はリードチェンジを繰り返す接戦となった。それでも最終クォーターに抜け出し、身上とするディフェンスでラスト約3分間を無失点に抑えた大濠が69-66で逃げ切った。

得点頭の本田蕗以と白谷柱誠ジャックがともに12得点と不発の中、大濠のオフェンスを牽引したのが吉岡陽だ。5本中4本と高確率で3ポイントシュートを沈め、ゲームハイの20得点を記録した。結果的に白谷の5連続得点が決勝点となったが、苦しい時間帯に吉岡がスコアしていたからこそ、接戦を勝ち切れたと言える。そして、吉岡もスコアラーの手助けができたことを誇りに感じている。

「蕗以とかジャックがほとんどの点数を占めていて、そこで3年生がもう一人攻め切ることができたら、彼らに対するマークがちょっとでも自分に寄ったりして、楽になるんじゃないかって考えていました。途中から自分が攻めたおかげか分からないですけど、最後の方で蕗以やジャックが得点を重ねることができたので、3年生として下級生たちを支えることができたと思います」

長距離砲が火を噴いた吉岡だが、これまでの3ポイントシュートは11本中2本のみの成功と低調だった。しかし、片峯聡太コーチに自らシュートについて相談し、今回の活躍につながった。吉岡は言う。

「前までの4試合で手打ちだったりショートになることが多くて、朝の調整の時間に先生に、『今までと何が違うか』みたいなことを聞きました。そうしたら『ちょっと足が使えてない』だったり『足幅が狭くなっている』とか、具体的なアドバイスをいただきました。今日、そういう部分をしっかり改善できて、良い結果に繋がったと思います」

当然ながら、片峯コーチも吉岡の活躍を喜んだ。「空間を捉えようということで少しだけ調整しました。彼も素直に入ってくれたので、今日は良い形で強気で行ってくれました。3年生たちはずっと真面目で、一生懸命やる子たちなんですけど、バスケットボール競技人生の中で大胆にやらなきゃいけないこともあるんだよと。今日はやる日だよということで尻叩いてゲームに入って、彼らはしっかり戦ってくれました」

明日の決勝は東山vs福岡第一の勝者と対戦する。それぞれタイプが違う相手だが、吉岡はどちらが来てもやることは変わらないと、自分たちのバスケを信じている。

「どっちが勝つか分からないですけど、今大会を通してやろうとしているのは激しいディフェンスからのペースアップです。40分間自分たちの流れというのはないと思うので、相手の流れになってしまった時にやはりディフェンスから流れを持ってくるしかないと思います。そこで自分が一番ハードワークして、やりたいことをやらせないようにしたいです。出てきた全員がハードワークして、本当に優勝したいと思っています」