
「このチームは全員が勝ちに対しての気持ちが強いです」
『ウインターカップ2025』女子ベスト4、大阪薫英女学院は大会4連覇を目指していた京都精華学園に80-71で勝利し、2018年以来の決勝進出を果たした。薫英は出だしから平面での激しいプレッシャーによって京都精華のミスを誘発し、前半で11ターンオーバーを奪う。攻守の素早い切り替えからの速攻に加え、効果的に3ポイントシュートを沈めて着実に加点。40分間にわたって強度の高いディフェンスと、自分たちのやるべきプレーを遂行した薫英が快心の勝利を収めた。
13得点を挙げたキャプテンの幡出麗実は、次のように試合を振り返る。「このチームは全員が勝ちに対しての気持ちが強いです。それが良い方向に行き、一つにまとまったことが良かったです。『最後は気持ち』と安藤(香織)先生は練習からずっとおっしゃっています。苦しい時間帯もありましたけど、常に全員が『次はしっかりやろう』といったプラスな声かけを続けてできたのが良かったです」
この気持ちの強さがよく出ていたのが、、ゴール下への積極的なアタックだ。幡出は「京都精華さんには高さのある留学生がゴール下にいます。それでもリングにアタックすることを止めない意識を全員が持ち続けることができました。リングに向かって攻めることで相手は寄ってきます。そこでキックアウトのパスを出して、入らなくてもタイミング良く、思い切って打つことを大事にしていました」と語る。
薫英の3ポイントシュートは27本中11本成功で成功率40.7%と高確率だったが、これもアタックによって相手ディフェンスを収縮させ、良い形で打つことができたからこそ。幡出も4本中3本成功と、ここぞの場面で確率良く決めた。幡出は言う。
「『決めよう』というより、タイミングよく打ち続ける。スタッツを気にせず、今まで誰よりも練習でシュートを打ってきた自信はあるので、打ち切ろうと思っていました。やりきれて良かったです」

「明日は今までやってきたことを信じてやりきりたい」
強豪の地位を確立している薫英だが、今年は日清食品トップリーグにも出場しておらず、インターハイも2回戦で早々に敗退。スポットライトを浴びる舞台から離れていたが、最後に決勝進出と見事なカムバックを見せた。幡出は「今年はトップリーグにも出られていないですし、京都精華さんが勝つという意見が多かったと思います。そこを自分たちはチャンスととらえ、チャレンジャーの気持ちで臨みました」と語るとともに、自分たちの積み上げてきたものへの確かな自信があったと続ける。
「プレッシャーはなかったですし、自分たちのやるべきことをやれば、絶対に行けると、みんなが強い思いを持っていたと思います」
明日の決勝に向け幡出は「泥臭いところをやり抜けるかが、最後の1点、2点の差につながってきます。誰でもできる当たり前のところを40分間どれだけやり続けるかが、勝敗を分けるカギになってくると思います。明日は今までやってきたことを信じてやりきりたいです」と意気込みを語る。
そして、幡出にとって一番のモチベーションは安藤コーチに日本一をプレゼントすることだ。「日本中どこを探してもこんなに素晴らしい先生はいないと思います。先生の人柄、指導が薫英を作っていると思います。安藤先生のバスケットが日本一であることを明日は絶対に証明したいです」
薫英はこれまで決勝進出が3度あるが、すべて準優勝に終わっている。初の日本一へ、相手はインターハイで負けた桜花学園だ。リベンジの場としてはこれ以上ない舞台で大一番を迎える。